昨年11月、政府統計局(ヴィースバーデン)は、ドイツ人がイスラム教に対しどのように考えているか世論調査し、その結果を公表しました。この背景には、ドイツ国内で急増するムスリムとの関係でさまざまな問題が生じているからと思われます。調査報告書によれば、旧西独で64%、旧東独で75%の人たちが、イスラム教はドイツ社会に相容れないと答えました。ムスリムがドイツ国内にいることは、葛藤をもたらしているかという問いに対しては、旧西独で56%、旧東独で68%の人たちが、「そう思う」と返答しました。またドイツ国内で、イスラム教教育を制限するべきかという問いに対し、旧東独では57%が、旧西独では37%が「そう思う」と賛同しました。この調査は2012年以来2年毎に行われていますが、ドイツ人たちはイスラム教と文化的相違はじめ相容れない点があると答え、年毎にムスリムへの懐疑心が増えていることが判明してきました。どうぞ、お祈りください。
11月13日、旧東独チューリンゲン州のエアフルトにおいて、イスラム教会堂(モスク)建設の礎石が据えられました。これは同州で初めてのことで、「アルマデイア」モスク指導者ズレマン・マリク師は、「モスクは人々『出会いの場』であると語りました。建設予定の新モスクは2つの祈祷室、1つの大ドーム,高さ8メートルの塔があり、総工費は約6億ユーロ(約7億数千万円)です。チューリンゲン州政府のボード・ラメロウ大統領(左派)は、会衆500人の前で「モスクは私にとって、キリスト教会やユダヤ教会堂と同じく社会に存在すべきである。」と語りました。礎石式には、ユダヤ教とキリスト教代表者も参列していました。賛成派は民主主義社会の証であると主張し、反対派はAfD(ドイツのもうひとつの選択肢)という政党が主です。新年明けに市当局から建築許可が出れば、モスク建設工事は始まることになります。どうぞ、お祈りください。
昨今のドイツ社会で、戦争を知らない世代で反ユダヤ主義思想に傾倒する若者が増えています。一方、福音派の間では反ユダヤ主義に対し強く立ち上がるキリスト者も多数います。ナチスによるホロコースト、ポグロムは決して許してならないと叫んでいます。昨年11月9日、ドイツ全土のシナゴーグで「水晶の夜」記念礼拝が催されました。水晶の夜(ドイツ語で Kristallnacht)とは、1938年11月9日夜から10日未明にかけて、ドイツ各地で発生した反ユダヤ主義暴動のことです。ユダヤ人の居住する住宅地域、シナゴーグなどが次々と襲撃、放火されました。とくにユダヤ人にとって重要な、約1千200ものシナゴーグと祈りの家が焼き払われました。さらに約7千500ものユダヤ系商店が破壊され、3万人ものユダヤ人が逮捕され連行されました。この日、ドイツ全土にあるシナゴーグでは、「水晶の夜・特別記念礼拝」が開かれました。
一方、ドイツ警察庁は2017年に起こった、1千504件の反ユダヤ主義暴力事件に関する詳細を発表しました。その統計報告によれば、暴力事件加害者の81%はイスラム教徒でした。次いで25%が左派過激派、19%が右派過激派でした。ドイツは難民・移民によるムスリム人口が急増中であるだけに、とりなしの祈りが必要です。
急激な人口減少が懸念されているドイツで、ドイツ統計局は子ども人口数を発表しました。その報告によれば、1997年には約1千750万人であったのが
20年後の2017年には約1千340万人に減少していることが判明しました。約14%の子ども人口の減少です。イスラム教信仰の移民・難民が急増するドイツで、子ども人数が多いのはムスリムです。将来を考えると、ドイツ国は少子化傾向をたどるだけに、これまでのドイツとは異なる国になることは明らかでしょう。
キリスト教メデイア「イデア誌」の調査によれば、ドイツ、スイス、オーストリア等のドイツ語圏にある45の福音派聖書学校(神学校)の学生数は、2017年度(4,276名)に比べて昨年度(4,448名)は4%増加したことが明らかになりました。それにもかかわらず、牧師や教会教育者が不足している背景には、卒業生の多くが教会関係より社会で仕事に就いていることにあります。卒業後、数年間は教会に仕えても、辞めて行く人も少なくありません。中には明確な召命観に欠ける人もいるようです。社会の動きが大変速く流れる中、聖書を専門的に学習した教師者が求められています。また複雑化した時代に、彼らへの指導とカウンセリングも、必要となっています。そのような情勢下で、オーストリア・プロテスタント・アカデミー(EVAKA)は、神学と聖書学を学ぶ私学専科大学を建てる計画もあります。
昨年11月11日ベルリンにおいて、信仰のために迫害されているイラン、アフガニスタンの聖徒のための「特別祈祷会」が開かれました。これは毎年開催されている世界アライアンス祈祷運動の一環で、迫害下にあるクリスチャンへのとりなしでした。国教会のデイアコニッセ奉仕女であるシスターローゼマリーは、「この祈祷会には約120名(その内イラン人、アフガニスタン人は65名)参加しているが、ドイツ人の参加数が少ない。毎年開かれる特別祈祷会へのドイツ人参加者数が、減少していることは残念である。なぜならクリスチャンへの迫害度は、減少ではなく年々高まっているからだ。」、と強く訴えました。
お祈りください。
11月8日に燃え始めたカリフォルニア州森林火災は、15日間延焼して鎮火しました。同州で起こった山火事としては、史上最大の火災となりました。とにかく東京23区に当たる土地(6万2千ヘクタール)が焼失し、死者88人、不明者200名、そして1万3千棟以上の家屋が火災により焼失もしくは破壊されました。
ところが、同州の小さな町にあるマガリアのパイネス・バプテスト教会と信者30人は、この猛火から奇跡的に守られました。人口1万2千人の住民と、高齢者の教会員ははじめ避難を拒否しましたが、結果的に避難命令に従い避難しました。教会員の避難については、ダーク・クラウダ―牧師が強制的避難という手段を取り難を免れることができました。
後日、クラウダ―牧師は南部バプテスト教団メデイアのインタビューに、次のように返答しました。「周りは全て火の海となりあちこちで爆発が起こり、教会堂前のレストランにあったプロパンガス・ボンベも爆発し、凄まじい爆発音と火炎が起こった。後で判明したことに、ガスボンベを使用していた家とレストランは全て爆発し焼け落ちてしまい、町の4分の3が廃墟となってしまった。秋の落ち葉は一層火力を強めることになった。しかし、驚くべきことが起こった。それは教会堂と会堂敷地は類焼を免れ、火災に会わなかったことだ。それこそ神の奇跡であった。そこで私たちの教会堂は急遽、地域の救援ヘルプセンターとなり使われるようになった。」
2010年、アジア・ビビ(51歳)女史はイスラム教最高指導者モハメッドへの「冒とく罪」で死刑判決を言い渡されました。彼女は5人の子どもの母親です。ビビの弁護士によれば、彼女は現在パキスタン国内のある場所に保護されています。身の安全のため、オランダかドイツへの国外脱出を希望しています。それに対してイスラム教過激派の人たちは、口々に「アジア・ビビに死刑を!」と叫んでいます。ドイツのメデイアの「ビルト・アム・ゾンターク」のマリオン・ホルン氏は、それに対しキリスト教会はどんな叫び声を出しているだろうか、と報じています。問題解決には政治的レベルでの支援は必須であり、教会だけでなく政治家の協力も必要であると訴えています。どうぞ、お祈りください。
昨秋10月、イスラエル政府は前年度に次いで2度目の外国人ジャーナリスト(世界40か国以上から190人以上)を招待し、4日間にわたる「イスラエル・カンファランス」を開催しました。目的はイスラエルの現在の正しい情報を、フェイクニュースではなく、正確に報道して欲しい思惑があります。フェイクニュースが各地で問題化しているだけに、イスラエルも例外ではありません。報道は記者が親イスラエルか反イスラエルかで全く異なります。パレスチナ側の位置から、一方的に報道するメデイアもあります。それだけに事実を、歴史、宗教、文化の相違を考慮して上での報道が期待されます。イスラエルは1948年に建国された若い国ですが、ハイテク産業は世界をリードする国です。今では宗教枠を超え、イスラエルの発展秘密を知りたいというビジネスマンが世界各地から集まっています。なによりも聖書の舞台、神がアブラハムに約束された契約の地です。イスラエル政府発表によれば、現人口は890万人、出生率は3,1人(日本は1,4人)、ユダヤ教徒が75%、ムスリム21%、キリスト教徒2%、その他2%です。イスラエルのためにお祈りください。
アフリカの北朝鮮と呼ばれているエリトリアで、ムッシー・エザツ宣教師が2007年9月に逮捕されて以来、消息がまったくつかめていません。そこで国際人権委員会(IGFM)は、全世界に向けて祈リの要請を出しました。3人の子どもの父親であるエザツ宣教師は、若者たちにキリスト教啓蒙活動を行ったという理由から、4ヶ月間当局から追われ、エチオピア国境近くで逮捕されました。エリトリアは2002年以来、イサイアス・アフェウェルキ独裁政権下に置かれています。IGFMの調べでは2017年までに、少なくても31人のクリスチャンが獄中で死亡しています。エリトリアは迫害度世界第6位で、信仰生活に大きな制限があります。エザツ宣教師と他の多くのクリスチャンのため、お祈りください。
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