あれから30年

「草はしおれ、花は散る。しかし、私たちの神のことばは永遠に立つ。」
イザヤ40・8


 今から30年前(1989年11月9日)、ドイツ分断の象徴であった「ベルリンの壁」は崩壊しました。一滴の血を流すこともなく実現した革命は、平和革命と呼ばれました。この歴史的出来事は東西ドイツの冷戦終結をもたらし、その後、東西ドイツ統一へとつながりました。さらには旧ソ連はじめ東ヨーロッパ諸国にも波及し、ドミノ現象のように崩れていきました。このような一連の歴史的大事実は、すべて「ベルリンの壁」崩壊によって始まりました。

歓喜に沸いたドイツ国民

 社会主義国東ドイツで抑圧された日々を過ごしていた市民は、希望に満ちあふれた表情で「国境」を越えて行きました。当時、東から西へと向かったある女性は、大きな決意を抱いていました。「私は西側で生きると決めた。もう二度と戻る気はありませんでした」(東ベルリン市民だった ベアーテ・シューマンアイヒ氏)。また東ドイツ最後の砦となったブランデンブルク門で当時、警備にあたっていた男性は、「通過していく人がどんどん増えていった。もうこれで、東ドイツは終わりだと思った」(シュテフェン・ミュラー氏)。当時、壁を越えようとして命を絶たれた人たちが、ベルリンだけでおよそ140人いたとされます。

 壁が崩壊する8か月前、32歳の若さで亡くなったヴィンフリート・フロイデンベルクさんは、ベルリンの壁を越えようとして命を落とした最後の犠牲者でした。兄ラインホルトさんは、「(弟の計画を)何も知りませんでした。弟は私たち家族を守るために、できるだけ分からないようにしていたのです。」彼は電気技師資格を生かし、職業の自由や充実した研究環境を得たいと考えていました。彼が壁を越えるために使ったのは気球でした。秘密警察などに漏れれば、家族が処罰を受けるため、人知れず気球作りを進めました。深夜2時過ぎ、暗闇の中を飛び立った気球は壁を越え西ベルリン上空にまで至りましたが、途中でコントロールが効かなくなり5時間半後に墜落しました。兄ラインホルトさんは、「(弟は)ぜいたくな暮らしではなく、自由に生きたかった。それが目標だった。」と語っています。東ドイツ出身のメルケル首相は今年2月、彼の死に触れてこう述べました。「彼の死は私たちに自由と民主主義の大切さを思い出すよう警告している。」

現実の世界

 社会主義や共産主義社会が崩壊し、西が東を吸収する社会になれば、人々は平和な世界になると期待しました。しかし現実は、イスラム過激派組織の台頭により、NY同時テロ事件をはじめとして、世界各地でテロ事件が頻発し安全が脅かされてきました。さらに欧州は今、前代未聞の大量難民問題を抱えています。経済的には世界的影響を与えたリーマンショック事件、そして英国のEU離脱問題で欧州は大混乱に陥っています。

このような世界的時流の中、米国トランプ大統領は「壁が必要だ。すでに一部を建設した」と主張し、メキシコ国境に新たな壁建設を進めています。「ベルリンの壁崩壊」から30年、歴史はいったいどこへ向かうのでしょうか。人は何を求めているのでしょうか。聖書は私たちに、「結局のところ、もうすべてが聞かされていることだ。神を恐れよ。神の命令を守れ。これが人間にとってすべてである。」(伝道者の書12・13)と教えています。創造神不在の世界で、歴史は過ちを繰り返します。私たちは歴史を支配される神を見上げ、神のみことばに耳を傾けようではありませんか。


海外宣教

私たちは欧州・中東の諸教会とクリスチャンへの支援、および海外在住邦人宣教を行っています。私たちは国内宣教として、次の働きをしています。

DVD書籍

「十戒は愛のことば」メッセージ、コリント人への第一の手紙、ガラテヤ人への手紙、「ビジネス成功の秘訣は聖書にあった!」LなどメッセージDVDや主の祈り、世界の日時計は今、神のマスタープランの行くへ、書籍………

「春の聖地イスラエルの旅」

私たちの聖地旅行の特徴は、心を静めて歩く「ゆったり旅」にあります。静かなガリラヤ湖畔で3泊し、ゆっくり静思の時を持ちます。そして、聖書の視点からイスラエルを学びます。朝のデボーションから始まり、野外礼拝でも神を賛美する楽しい旅です。皆様のご参加を歓迎します。

The Voice of Mission

私たちは、聖書を土台するプロテスタントのキリスト教宣教団体です。「ミッション・宣教の声」は1981年12月、宣教師であった黒田禎一郎牧師によって設立されました。激しく移り変わる世界情勢(東西欧州、米国、アジア、中東等)を聖書的視点からとらえ、情報を提供しています。とくに迫害下にあるキリスト教会と聖徒、海外在住邦人宣教に重荷を持っています。
月刊誌「宣教の声」は毎月、新鮮な情報を提供しています。また黒田禎一郎の著書や訳本等を通し、海外宣教活動を推進しています。