コロナ禍の海外邦人宣教21

欧州邦人宣教

ミュンヘン日本語キリスト教会

牧師 井野葉由美

ミュンヘンでの邦人宣教

「海外在住の日本人に福音を届ける」という考えが、まだ日本の教会で知られていなかった頃から、「宣教の声」では、この働きを日本の教会に紹介し続けてくださり、心より感謝しています。そもそも、私自身が留学生の時にドイツで福音を聞き、キリストを信じるに至った、海外日本語宣教の実であり、この働きの重要性を身に染みて感じている者です。

ミュンヘンは、ドイツの中でも日本人によく知られている街で、たくさんの観光客が訪れています。しかし30年位前までは、ドイツの中で日本人が多く住んでいる町は、デュッセルドルフ、次いでハンブルグ、フランクフルトという順序でした。その後、IT産業や自動車関係企業が進出してきて、現在ミュンヘンは、デュッセルドルフに次いで日本人が多く住む町となっており、その数はコロナ禍で減少したとは言え、3,000人とも5,000人とも言われています。

ミュンヘンで、日本語による聖書集会が始まったのは、1980年代後半。一人の信徒の呼びかけにより、元日本宣教師の協力を得て、平日の集会がもたれるようになりました。その後、日本人牧師が2年間ほどおられた時期もありましたが、ドイツの他の都市で、次々と日本語教会が設立されていく中、ミュンヘンは、大都市で日本人が多く住んでいるにもかかわらず、日本語教会が存在していませんでした。そこで、デュッセルドルフ日本語教会に仕えておられた安藤廣之師・里佳子師夫妻が宣教師としてミュンヘンに移ってきて、2011年、それまで続いていた聖書の会を母体として、ミュンヘン日本語教会が設立されたのです。彼らは11年にわたり、教会の土台を築き上げて日本に帰国され、私は2022年1月より、その働きを引き継ぐことになりました。

邦人教会の国際化

ミュンヘンの街中にあるティアティーナー教会

これまでのミュンヘン日本語教会の特徴は、駐在のクリスチャン・ファミリーが中心となり、教会を支えていることでした。クリスチャンホームで育った方も多く、日本の教会をよく知っている方々が教会の核となっていましたので、海外日本語教会の中でも、かなり日本的な教会だったのではないかと思います。また、ファミリー全体として集っている家庭がほとんどでしたので、子どもたちの明るい声にあふれていました。ところが、2022年に入り、これまで教会を中心的に担っていたファミリーが次々と帰国となり、なんと7月には駐在員家庭はゼロになってしまいました。人の入れ替わりが激しいのは、海外日本語教会の宿命で、「いつも送別会をしている教会」という印象があるくらいです。それでも、誰かが出て行くと、主はまた別の方を送ってくださいます。これだけ人を送り出しているのに、教会はなくならないで存在し続けています。「教会は人のものではない、主のものである」ということを実感できます。また、その時、そこに集う人々の特色により、教会のキャラクターも変化していきます。海外教会では、「教会は生き物である」ということも、また実感です。今回も、神は不思議に新しい方を送り始めておられますが、今までのような駐在員家庭ではなく、ドイツで職を得ている永住者や研究者、国際結婚の方々です。それに伴い、これまで日本語のみの礼拝でしたが、ドイツ人配偶者のために、メッセージをドイツ語に訳して、手渡すことを始めました。また秋からは、定期的に2か国語礼拝も提供していきたいと願っています。それに先駆けて、5月に行われた牧師就任式には、会堂を借りている教会の方々、近隣のインターナショナル・チャーチの方もお招きし、2か国語礼拝をささげました。

ドイツ人にも開かれた教会

ドイツでは、キリスト教は確かに文化としては根付いていますし、人々の心の奥底に、聖書を土台とした考え方があるのも感じますが、イエス・キリストと個人的な生きた交わりを持っているキリスト者は、ほんのわずかです。現在のドイツは、宣教されるべき国となっています。形式的なキリスト教しか知らないドイツ人に、仏教や神道の国の日本人が、キリスト者として生き生きと主イエスを証しすると、大きなインパクトを与えます。この地に日本語教会があるのは、日本人のためだけでなく、ドイツ人のためでもあると私は信じています。神は、今までのミュンヘン日本語教会の土台の上に、ドイツ人にも開かれた教会、地域の教会と協力していく教会という、新たなビジョンを与えてくださっています。日本人の配偶者を通して、ドイツ人が生きたイエスに出会い、ともに礼拝できるようになるとしたら、なんと素晴らしいことでしょうか。

5月29日 牧師就任式

(つづく)


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