JCFN北米代表主事
清水 摂
「ウィズコロナ」という言葉が出回り始めてからしばらく経ちます。私たちのミニストリー、ジャパニーズ・クリスチャン・フェローシップ・ネットワーク(JCFN)では、2021年の秋ごろから徐々に対面活動に戻っていますが、パンデミック中の影響は少なからずあり、さまざまな変化を経験してきました。
移動の停滞
どこも同じですが、パンデミックにおける最も大きな影響は人の移動が停滞したことによる勢いの喪失でした。海外に留学、駐在、旅行で訪れる人々の足が止まり、または、既に留学や駐在中だった人々が予期せぬ理由から、帰国を余儀なくされました。
打開策の恵みとその後の影響
しかし、そのような非日常的な状況にもかかわらず、対面での活動ができない期間中は、オンラインでの集会などへの切り替えにより、ミニストリーは感謝すべきことに継続していました。そして、その影響がミニストリーに顕著に表れたのは、対面活動が再開した際でした。
リーダーが消えた
人の移動がオンライン活動期間中に起き、オンラインでは通常通りにコミュニケーションが取れていたため、初めて対面で会った際に、実際は彼らがその地域から引っ越していたという事実に直面することになりました。その上、新しく駐在する人々や留学生たちは国外に進出できず、ミニストリーにおいて新しい出会いがストップしてしまっていました。つまり、パンデミック中に、それまで地域にいた人々が帰国し、訪れる予定だった人々が来ることができなくなり、進出者がいても新たな参加者が入ってこなくなりました。海外邦人宣教の特徴の一つは人の移動です。多くの人々が訪れ、多くの人々が旅立っていきます。特に新しい人々が到着する動きが止まると、次世代のリーダーの育成が難しく、新しい指導者が不足する状態に陥ります。
JXJの例
シアトルで15年にわたって続けてきた学生中心のミニストリー、JXJ(Jesus X Japan)はその影響を受けました。パンデミック中、リーダーたちだけでなく、未信者を含む参加者たちもシアトルから他州や日本へ移動しました。しかし、使命感あるリーダーたちは、時差の不便さにもかかわらず、ミーティングの時間を設定し、このミニストリーをオンラインで継続することに決めました。もちろん、対面でしかできないことを諦める必要がありました。特に食事を共にするようなコミュニケーションは、オンラインでは難しかったですが、ゲームや賛美、スモールグループの集まりはオンラインでも実現できました。楽しく、かつ有意義な時間を過ごしました。しかし、対面活動が可能になり、新たな留学生たちが待ち望んでいました。彼らは、留学中にもオンラインでクラスを受けたり、友達との対面が制約されていたため、JXJの再開を楽しみにしていました。未信者の学生たちからもJXJに対する期待の声が寄せられました。期待の声に反して、現実は厳しいものでした。過去のリーダーたちは日本や他の州に帰国し、新しいリーダーが不在でした。パンデミック中、次のリーダーを育てる機会が奪われていました。
ミニストリーを委ねる
伝道の対象である留学生が多い中、関係者たちはオンラインで集まり、話し合い、祈りました。関係者には、以前のJXJのリーダーやスタッフも含まれています。しかし、彼らのライフステージが変わり、小さな子どもがいたり、仕事で時間が制約されていたりしました。手伝いたい気持ちはあるものの、リーダーとしてまとめる人が不足していました。現地の日本語教会の牧師やリーダーたちも協力してくださいました。話し合いの結果、次のリーダーが立つまで、彼らはJXJを主に委ねる決断をしました。
継続した祈り

しかし、伝道のニーズが存在する中で、関係者たちは主に向けて祈り続けました。主が次のリーダーを用意してくださるように、そしてJXJが再び活動できるように。そして、去年末に、JXJの再開を願う声が次第に高まってきました。その声は、以前JXJに参加したことのない、秋に日本から引っ越してきたばかりの男性から発せられました。そして、すぐに応答したのは、パンデミック中に引っ越してきた若い夫妻でした。彼らは、シアトルに来る前からJXJの存在を知っており、しかし関わる機会を逸していました。また、過去の関係者も加わり、JXJ 2.0(パートツー)の可能性が話し合われました。 そして、主の恵みにより、今年の1月からJXJ 2.0が再開されました。
(つづく)
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