ウクライナ共和国

黒田禎一郎

「ミッション・宣教の声」が交流を持つドイツの宣教団体「Friedens Bote」(平和のメッセンジャーの意味)は、2022年2月24日から3か月間に、ウクライナへの救援物資輸送を大型トラックで21回、モルドバへ3回届けました。救援物資は合計311トンとなり、うち約103トンは食料品と488個のマットレスでした。ウクライナの悲惨な状況は現在なお続いていますので、現地の兄弟姉妹を覚えて支援活動を継続しています。次は戦地ウクライナ東部都市ハルキウにいるレオニード伝道師からのレポートです。

煙が上がるハルキウの町

神の救い

都市ハルキウでは、あちこちで家屋が炎上し煙が立ち込めています。住宅にロケット弾が撃ち込まれ、死者が出ています。道路は閉鎖され至るところで兵士の姿が見え、大変危険な状態で進むことは困難です。この現実を前にして、人はいつ命を失うか誰も知りません。私たちは本当に援助を必要としている人々に、救援物資を届けられるよう神の守りと恵みを祈らざるを得ません。一方、この危険の中でも、神は勇敢な聖徒を備えておられます。自分の命が失われるかもしれない状況で、神はご自身の器を用いてくださいます。神は彼らともおられ、死の寸前で救ってくださっています。戦争下では、命と死は隣合わせです。戦火が激しくなればなるほど、それは現実味を増してきます。ロケット弾によって破壊された家屋の中から、まだ命ある人が救出される姿に遭遇するとき深い感動を覚えます。人は戦火で耐えられないような不安と心痛に襲われることがあります。涙を流し生きる意義に疑いを抱くこともあります。

地下鉄駅に避難する人たち

多数の人々が鉄筋コンクリートと強固な金属構造でできている地下鉄駅に避難しています。そこには日光と新鮮な空気が入りません。避難民たちは地下鉄駅ホームにある仮テントで寝起きしています。誰もが太陽の光を浴びたい、新鮮な空気を吸いたいと願いますが、外に出れば「死」が待っているだけです。彼らは地下深くにある地下鉄駅に避難し、命を守るための生活が続いています。ロシア軍によって家屋が焼かれ、着の身着のままで命からがら避難してきた人々の中にクリスチャンもいます。彼らに西側聖徒から贈られた生活必需品を渡し、温かいミルクと信仰書を渡すと、言葉で言い表せないほどに感謝されました。

このように死が目前にある非常事態下で、私たちはキリストの福音を宣ベ伝えています。長い話しは不要で、短く、簡潔にイエスがキリスト(救い主)であることを伝えています。私たちには西側聖徒からの救援物資を届ける務めが与えられていますが、キリストの福音を届ける務めも与えられています。なぜなら救援物資は一時的助けですが、魂の救いは永遠の命の贈物となるからです。神はウクライナ地下鉄駅の避難壕の中でも、ご自身の栄光を現されています。どうぞお祈りください。

80日間の地下壕

地下壕で温かいお茶と救援物資を受け取る女性

ハルキウの郊外にあるスタリー・サルトフ村は、保養地として知られている長閑な地です。戦火はその村にもおよび、ある住民は小さな地下室に避難しました。彼らの家は焼け崩れ、家具、寝室、書斎、台所用品等のすべてを失いました。しかし生きることの方が優先で、彼らは安全と静けさを求めました。彼らはなんと80日間も、地下室で援助の日が来ること待望していました。私たちは彼らの地下室に到着しました。先ず彼らに食料品と生活必需品を渡したところ、涙を浮かべて感謝され受け取ってくれました。彼らはクリスチャンからの贈物を受けとり深く感謝しました。この村には他にも避難している人々(老人、女性、子どもたち)がいました。

そこで私たちは篤い祈りを神に捧げ、彼らを安全な村にまで運ぶ救出作戦を立てました。神は私たちの祈りに応答してくださり、彼らをハルキウから離れた安全な場所に、順番に移動させることができました。しかし途中は、いつ銃撃戦が始まり戦火に巻き込まれるかも知れない不安と緊張感に包まれました。神は彼らを戦火から離れた地へ、無事に導いてくださいました。安全地の教会に到着したとき、彼らの目からは涙が流れ、何度も何度も感謝の言葉を言われました。

ウクライナではこのように聖徒は働いています。ハルキウのバプテスト教会は、戦火の中ですが礼拝を開いています。未信者だけで130人以上が集まっています。どうぞ、続いてお祈りをお願いします。

ハルキウのバプテスト教会

(つづく)

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