カザフスタン共和国

黒田禎一郎

カザフスタンは中央アジアにある旧ソ連邦の国で、西側のカスピ海から、東側の中国、ロシアとの国境付近のアルタイ山脈まで延びています。人口は約1千960万人、その約7割がイスラム教徒です。果てしなく続く大草原と、のどかな雰囲気が現存しています。夏は最高気温50℃、冬はマイナス40℃という急激な変化は、この国の極端な天候の違いを表しています。カザフスタンは冷戦時代には、重要な歴史的役割を果たしました。しかし、現在のカザフスタンの大部分は貧困で、希望が見えない状況です。国は国際競争力を高めるために、遅くとも2025年までにはキリル文字からラテン文字に切り替えようと試みています。そして国際的な流れに適応し、新たな貿易関係を開き発展することを期待してます。  ヴァレライ・B牧師は、南部のウズベキスタン国境近くのゼティサイに住み、キリストの福音を宣べ伝える牧者です。彼は妻と6人の子どもたちとともに、カザフ人、タジク人、その他の国籍の人々に、キリストの福音を伝えています。彼の願いは、教会の新しいリーダーと責任者を育成することです。次はカザフスタンでの最近の伝道の様子です。

カザフスタンから250km離れたアリスで説教するヴァレライ牧師

砂漠に咲く花のように

ヴァレライ牧師のミニストリーは、決して大群衆を対象としたものではなく、むしろ小グループや個人を対象としたものです。しかし、彼らの信仰は、砂漠に咲く花のように成長しています。そこには、きめ細やかな霊的フォローが求められています。カザフスタン南部では、どこへ行ってもイスラム教の特徴が強いのは明らかです。モスク(イスラム教礼拝堂)は数キロメートルごとに建てられ、華麗な建築様式で際立っています。それらは農耕が主で、貧しい環境と質素な風景とは対照的です。

ゼティサイのキリスト教会

この町には、昔ドイツ系クリスチャンの共同体があり、キリスト教会がありました。彼らはカザフスタンの困難な時代を経験しまましたが、共通の文化と言語によって、苦難を信仰で乗り越えました。讃美歌と説教はすべてドイツ語でした。1957年創立から1987年までの30年間で、会衆は547人にまで着実に成長しました。

 印象的なことは1990年代でした。共産主義が崩壊し国内は大混乱に陥り、多くのクリスチャンが祖国ドイツに移住しました。かつては500人以上の会員がいた大教会は、突如に小グループとなりました。現在は40人ほどが集っています。墓地にある墓石だけが、この地域の教会とその歴史を思い起こさせれくれます。しかしキリストの福音は、今日に至るまで何一つ変わっていません。

キリストの共同体

 

教会の建物は昔と変わらず現存しています。この会堂に再び人々が集まりキリストの福音に出会う中心的な場所となるよう、そしてクリスチャンが互いに交わりを育み、主にある幸いを経験する所となるよう願っています。今日のカザフスタンのキリスト教会は大きく変化しました。集まる人たちの言葉も、名前も、出身も1990年代とはすっかり変わりました。以前はドイツ語で行われていた礼拝は、今ではロシア語やカザフ語です。たくさんいたドイツ人も数人と減りました。

賛美する聖徒たち

 カザフスタンの人々は、自分たちの伝統に誇りを持ちイスラム教を信奉しています。しかし福音主義に立つ教会は、救い主イエス・キリストに希望をおき、信仰を積極的に深めています。聖徒たちが持つ心の平安と希望は、多くの人々の心をとらえています。カザフスタン国の長い歴史は、人々に確かにものを得たいという願望を与えます。多くの人々が、確かなものを求めていることは事実です。そのようなカザフスタン社会において、キリストの教会は多くの困難に直面しています。信仰を持ったカザフ人の中には、クリスチャンであることを公言できない現実に直面しています。もしクリスチャンであることが発覚すれば、仕事関係や社会での付き合いを失うことになります。非イスラム教徒との商業協力は、断固拒否されるからです。このような社会で、新しく改宗することは至難のわざです。貿易が盛んな地域では、貿易関係が拒絶されることになり、彼らの生活問題に直結します。  歴史は思い起こさせれくれます。しかしキリストの福音は、今日に至るまで何一つ変わっていません。

クリスチャンになれば

若いクリスチャンにはもう一つの大きな課題があります。それは結婚相手を見つけることです。キリスト信仰を持つ配偶者を見つけることは容易でありません。中には、ムスリムのパートナーと関係を持つ人もいます。彼らは、ムスリムのパートナーを選ぶか、あるいはキリス信仰を証しするかという選択に迫られています。ムスリムと結婚したある聖徒は、イスラム教徒家族の前ではムスリムのように振る舞う、という二つの顔を持っています。しかし心中では、イエスにお従いたく思っています。彼らは大きな闘いに置かれています。それは良い証しとはなりません。どうぞ、カザフ人聖徒のため、教会のためにお祈りください。

放牧されたラクダ

(つづく)

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