ウクライナ特集 特別編

黒田禎一郎

それから、イエスは彼らに言われた。「民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、 (ルカ 21:10)

「ロシアは旧ソ連時代に逆戻りした!」と、かつて欧州の悲劇を経験した聖徒たちは、口を揃えて語っています。約30年前、欧州の冷戦構造が終焉し多数の人々は平和が来ると期待しました。しかし現実は再び恐ろしい戦争が始まり、多数の死傷者と難民が続出し出口が見えない戦場となりました。大国ロシアが小国ウクライナに侵攻した背景には複雑な歴史があり、目を背けるような悲惨なニュースで心が痛みます。そこでウクライナはどんな国か、キリスト者の視点からクリスチャンと教会について考えてみます。

豊かなウクライナ

まずウクライナは地理的にロシア西側に位置し、欧州への玄関口ともいうべき地です。非常に肥沃な土地に恵まれ農業生産が豊かです。私の印象では緑豊かな国で、1991年旧ソ連邦崩壊後に独立しました。国土は約60万平方kmで日本の約1.6倍、ロシア、カザフスタンに次ぐ大国です。ロシアが一方的に「編入」宣言した南部クリミアを除く人口は、約4千159万人(2021年)です。公用語はウクライナ語、人口の約20%がロシア系で東部や南部に多く住んでいます。

主イエス・キリストにとってゴミ捨て場の人々は、決してどうでもよい人たちではありません。いいえ、主は彼らが人生の意義と希望、そしていのちを得るために、主の働き人を送られました。2020年春、彼らと初めてのコンタクトが取れて以来、首都ビシュケクのキリスト教会は4度の国旗の青色と黄色は、空と小麦畑を象徴し「黒土」と呼ばれる肥沃な農地が広がり「欧州の穀物倉」と呼ばれました。小麦やとうもろこしは世界有数の生産量を誇り、国外へ輸出していました。首都キーウにはかつて「キーウ・ルーシ(公国)」という強力な国家があり、ロシアのルーツともいわれます。ロシアは帝政、ソ連時代を通じてウクライナを支配しました。同じスラブ系民族でロシアを兄、ウクライナを弟とする「兄弟国家」と呼び、歴史的、文化的結びつきには深いものがあります。ソ連から独立後、ウクライナは「兄」ロシアの保護を受けるか、あるいは欧米諸国と新たな関係を結ぶかで揺れ動いていました。2004年、対ロシア関係を重視する政権を民主主義勢力が倒す「オレンジ革命」が起こり、2014年2月には親ロシア派のヤヌコビッチ政権が親米欧派のデモによって崩壊しました。

ウクライナ難民

このような歴史的背景から、ロシアはウクライナを自国の「勢力圏」とみなし、親米欧に進もうとする事態に危機感を強め、ついに強行手段に出たのが実情です。2014年3月、ロシアはクリミア半島に軍を派遣して制圧し、ロシアへの「編入」を宣言しました。

爆撃された建物

信仰の篤いウクライナ人

ウクライナの宗教界は非常に複雑で、実態を把握することは容易ではありませんが、統計上に現れている数字は次です。国民の大多数はウクライナ東方正教会に属し人口比の約72%を占め、東方典礼カトリック教会が14.1%、カトリック教会は15.8%、プロテスタントは2.4%です。プロテスタントで最大教会は、ペンテコステ派で約25万人の信者がいます。次はバプテスト教会で、教会は約2千500箇所あり信者数は約15万人。そしてメソジスト派、メノナイト派、ブラザレン等の信者がいます。ですから宗教心の篤い国民と言われます。福音派教会は、これまでも「宣教の声」を通して伝えてきたように、福音宣教と社会的弱者(孤児、未亡人、身体障害者)へのアプローチを積極的にしてきました。この2本柱の働きは今回の事態で、さらに重要性を増しました。西側の聖徒と教会の祈りと支援が至急必要です。

プロテスタント信者の多くは、旧ソ連時代に信仰の迫害を受けました。中でもドイツ系やユダヤ系の人たちは、極寒シベリアへ強制連行され強制労働を強いられた苦い経験があります。そこで数え切れないほど多数の人々が命を失い、彼らの歴史は悲劇であり想像を絶します。その彼らがソ連崩壊後にウクライナに戻り、キリストの福音を熱心に語り各地に教会を建ててきました。今日では第二世代に入り、彼らの敬虔な信仰が受け継がれています。彼らは経済的貧困の中でも教育機関(神学校、聖書学校)を開設し、積極的に伝道活動を行なってきました。国自体が長い共産主義社会から脱皮し、政治と経済を復興させようと努めていた矢先に、今回のロシア軍侵攻が起こりました。私には宣教の情熱に燃えた聖徒たちの顔が非常に印象的です。

今回のロシア軍侵攻によって、約400万人以上の女性と子どもたちが国外へ難民として出ています(4月1日現在)。クリスチャン男性は国内に残り、命をかけて戦っています。ウクライナの兄弟姉妹の必要は想像を超えています。そこで先ず、ウクライナとロシアの両国を覚えて祈りましょう。次はその祈祷課題です。

ウクライナ軍戦車

祈祷課題

1.戦火が速やかに終息しますように

2.教会の指導者(牧師、長老、執事)に知恵が与えられるように

3.教会と弱者(孤児、未亡人、身体 障害者)が守られますように

4.人道的支援がウクライナに届きますよう

※「ウクライナ支援献金」受付中

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