ウクライナ共和国
黒田禎一郎
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ウクライナは旧ソビエト連邦のひとつであり、現在は独立した国家で共和制国家です。2022年2月、ロシア・プーチン政権は突如ウクライナに侵攻し、今もウクライナ国内では戦火が絶えることなく続いています。ロシア対ウクライナとの戦いが、政治的にはロシア・中国・北朝鮮と、米国・EU(欧州連合)・西側陣営との戦いになりました。根の深い複雑な課題を持つ両国だけに、多くの困難があります。私たちはウクライナとロシア双方に、生けるまことの神を信じる聖徒がいること、そしてキリストの教会があることを知っています。そこで、今号はハリコフの現地教会からレポートを通し、ウクライナの近況をお知らせします。
破壊された都市
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ウクライナ第二の都市ハリコフは、激しい戦火に包まれました。ロシア軍による砲撃は昼も夜も容赦なく続き、老人、子ども、新婚夫婦、寝たきりの病人、車椅子障害者にも、容赦なく激しい攻撃が続きました。ミサイルやロケット弾による攻撃威力は、鉄筋コンクリート建造物を一瞬に破壊しました。ましてや一般家屋は完全破壊されてしまいました。建物のファサードやバルコニーは、跡形もなく消えてしまいました。戦争が始まった時に生まれた子どもは、今では2歳です。この子どもたちが最初に覚えた言葉は、「ママ」、「パパ」ではありません。子どもが最初に口にした言葉は、爆撃音「バン」と緊急を知らせる「サイレン」であったと、現地クリスチャンは語ります。戦火で生まれた子どもたちは、自分の家がどこにあるかも知りません。子どもたちは警報音が聞こえると、すぐに家族のもとに駆け寄り、膝の上に乗り胸に寄り添って、「バン」と必然的にささやきそうになると言います。
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戦争体験者の日常
紛争地域では、心からの笑いはありません。人々は皆静かに話し、現実を見て悲しみをこらえています。ハリコフのある伝道師の小さな娘は、すでにそれを理解していると言います。娘は「バン」が何を意味するのか、今では理解するようになりました。このような経験は彼女だけでしょうか。いいえ、親と一緒にいる多くの子どもたちが、現実の中でこのような戦争を経験しています。子どもたちも、西側からの支援物資であるジャガイモを配る手伝いをしています。西側のクリスチャンと教会は、多くのハリコフ市民のために、簡易ベッドや支援物資を届けてくださり大変助かっています。ハリコフの子どもたちは、物資を配る手伝いをしています。それが戦時下にいるハリコフの子どもたちの現実です。
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模範的な器
創世記45章を開くと、ヨセフは飢餓の2年の間古代エジプトで生きられるよう、あらゆる手段を使いました。彼は民を生かし生き延びるように配慮しました。ヨセフは人々がパニック状態になっても不思議でない状況で、蓄えを持って兄弟たちを支えました。さらに後5年は、耕すことも刈り入れることもないきびしい地で、ヨセフは兄弟たちを守りました。それは神の尊いご摂理でもありました。
現代も必要なヨセフ
西側クリスチャンは、何千キロも離れた地から何千トンもの食料、衣類、寝具、医薬品を運び、何千個ものクリスマス・プレゼントや衛生用品を運んでくださっています。私たちの命を守るため、最善を尽くしている人々がいます。西側の多くの兄弟たちが、今の時代も「いのちを守る」ために「ヨセフ」の働きを続けてくださっていることは、どれほど貴重なことでしょうか。私たちは心からの感謝とお礼を申し上げたいです。どうぞ、続いて祈り覚えてください。
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(つづく)
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