ウクライナ共和国

人に知られていないようでも、よく知られており、死にかけているようでも、見よ、生きており、懲らしめられているようでも、殺されておらず、悲しんでいるようでも、いつも喜んでおり、貧しいようでも、多くの人を富ませ、何も持っていないようでも、すべてのものを持っています。

コリント人への手紙 第二 6章9-10節

希望の種

ロシアがウクライナに侵攻して、すでに3年以上の年月が経過しました。世界で多数の人々が、この恐ろしい戦争が速やかに終息することを切願し祈りを捧げています。しかし、神が許されるのはきれい事ではないことを覚えます。神は大きな痛みも与えられます。プーチン・ロシア軍はウクライナに、突然攻撃を仕掛けてきました。それによって、数え切れないほどの兵士や一般人が、尊い命を失いました。一般住民が住んでいた家屋に、また学校、病院に、突然ミサイルが飛来し焼かれてしいました。人々はいつ爆撃されるか不明の状況下で、夜も安心して眠ることができません。そのため多くの人々が安全のため国外に脱出しています。残る人々は、わずかな若者たちと、老人、そして子どもたちです。彼らは現在、涙と悲しみ、そして耐え難い苦痛を味わっています。しかし、神はそのような状況下で神のしもべである聖徒たち遣わしておられます。彼らはオデーサ(オデッサ)の教会のクリスチャンです。彼らに与えられた使命は、絶望下あるウクライナ東部の人々を支援し、励ましを与えることです。そして、彼らの冷え切った心に「みことばの種」を届けることです。

廃墟となった建物

結束するコミュニティ

オデーサからの救援チームは、そのようなウクライナ東部のある村を訪ねました。村の中心にある広場には、オデーサからの一行が来ることを耳にした人々が集まって来ました。彼らの多くが生きる希望を失い、どう生きればよいかと頭を抱えています。彼らには、もう逃げ場はどこにもありません。それが戦火で混乱が続くウクライナの状態です。広場に集まった村の人々は、オデーサの教会救援チームが語るメッセージに、耳を澄まし真剣に聴き入っていました。集まった人々の職業は、村の警察官、看護師、教師、トラクターの運転手、料理人、郵便配達員、技師、溶接工たちと多種多様でした。  そこでオデーサから来たクリスチャンたちは、賛美とみことばを語りました。彼らの賛美の声と神のみことばは、戦争の猛威に耐え抜いている人々の心に、希望と喜びを与えました。それは彼らにとって、思いがけない神の贈り物でした。神のみことばは、廃墟となった家々と人々の心に浸透し、そして何よりも生きておられる神がご臨在くださいました。クリスチャンたちの祈りが、この東ウクライナの村の人々に届きました。救援チーム一行は、単にことばだけでなく、行いを持って仕えたいと願っていました。そして、「神よ。村の人々は今あなたの前に立ち、大きな戦いの渦中にいます。彼らが苦難を乗り越えて、全能の神を信じることができますように、彼らに平安をお与えてください。」と祈りました。

路傍伝道に集まった人たち

奉仕は恵み

現在、ウクライナ東部で起こっていることは、まさにパラドックスです。神のみことばは、それを必要とする人々に届けられています。もし彼らが集まっている「広場」において、昔のような青空市が開いていたならば、あるいは戦争によって家屋が破壊されなかったらば、おそらく人々は集まることはなかったでしょう。幸いな神のみことばと賛美の歌声に耳を傾けている人々は、ほとんどいなかったでしょう。しかし今、この村のすべてが破壊され、店の棚には商品は何一つ並んでいません。彼らに残されているのは、ただ神の声を聞く時間だけです。

救援物資を手にする少年

オデーサの教会の救援チームは、西側クリスチャンから贈られた救援物資(食料品、医薬品、生活必需品)を現地に届けました。それは村の人たちにとって、どれほど大きな喜びと感謝であるか理解していただけるでしょうか。彼らは、現在何も買うことができませんし、店の棚には商品は何一つ並んでいません。そこで彼らに届けられた救援物資が贈られました。村の人々は感謝の言葉を言い表し、感激の涙を流して、食糧が入りの救援物資を受けとっていました。そして多くの村人たちは、このミニストリーを通して神に心を開きました。彼らは、聖書の神はどれほど慈悲深いお方であるか身をもって体験しました。一度も面識がない人たちが、このように温かい愛の手を差し伸べてくれる背後には、生ける神がおられると、人々は感じ受け止めていました。ある人は、神がおられなければ、このような事はあり得ないと述べました。一方、救援物資を届けたオデーサの教会のクリスチャンたちも、主からの恵みを経験することができました。主にお仕えし援助を求める人々に奉仕すること、それは幸いな恵みを味わう体験でした。奉仕者たちは、住民が涙を流して救援物資を受け取り、福音に心を開く姿を見て、主にある奉仕は恵みの源であることを確認しました。どうぞ、ウクライナの人々を覚えて祈りお支えください。

(つづく)

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