エリトリア

2024年6月、世界人権委員会(IGFM)とキリスト教出版社「IDEA社」は、「今月の囚われ人」としてエリトリア正教会のフィツム・ゲブレニグス司祭の名前を挙げました。彼はもう20年近くも信仰のために投獄されています。ゲブレニグス司祭はエリトリアで知られた精神科医で、2004年11月19日エリトリア保健省からの招待を受けて講演を行った直後に逮捕されました。IGFMは、彼は、首都アスマラで国家を敵対視する刷新運動「メドハネ・アレム聖書研究会」に関与していると、国家から狙われていました。IGFMとIDEA社はすでに2004年3月「今月の囚われ人」として、世界に祈りの要請を出していました。しかし今回、ゲブレニグス司祭の父親から再度の要請があり、もう一度「今月の囚われ人」として世界のクリスチャンに祈りの要請を出しました。そして速やかに釈放されるよう祈りの協力を求めています。独裁政権であるエリトリアは、人口約600万人で、ムスリムは国民の約52%、キリスト教徒は約47%です。どうぞ、祈り覚えてください。

フィツム・ゲブレニグス正教会司祭

エリトリアでは、3年近く投獄されていたギルメイ・アラヤ牧師が死亡しました。これは、キリスト教人権団体「CSW」(ロンドン)が正確な死亡日を明かさずに報じたものです。アラヤ師はペンテコステ運動「フルゴスペル教会」の共同創設者でした。IGFM とIDEA社は、彼をもう一人のサミュエル・オクバミチェル牧師とともに、2021年9月「今月の囚われ人」に指名していました。20221年7月末の夜、当時70歳半ばであった二人を理由もなく逮捕しました。両牧師は引退後も時どき教会で説教をしていました。彼らは悪名高い刑務所、「ヴェンゲル・メルメラ中央犯罪捜査センター」に送られました。CSWによると、他にも7人の教会指導者が20年近くここに隔離されています。オクバミチェル牧師の健康状態については何もわかりません。CSWは、エリトリアでは現在約400人のキリスト教徒が投獄されていると推定しています。その中には200人以上の福音派の信者だけでなく、少なくとも150人の正教徒と36人のエホバの証人も含まれています。お祈りください。

ギルメイ・アラヤ牧師


ペルー

 ペルーの首都リマは太平洋に面していますが、カイロに次いで世界第2位の砂漠都市です。そこに、「車椅子の牧師」として知られるホセ・シルバ牧師(68歳)がいます。彼は男やもめで家具もまばらな家には、ソファが2つ、冷蔵庫、飾り棚、電気コンロ付きのテーブルがあるだけの質素な住居に住んでいます。彼は、来訪者一人ひとりの人生ストーリーを聞き、キリスト・イエスの福音を語り伝えています。ここはペルーでも最も貧しい地域のひとつで、生活に困窮する人たちが大多数です。

シルバ牧師は27歳の時、酔っ払って城壁から落下しました。彼は背骨を骨折し、それ以来下半身麻痺となりました。しかし、彼はその事故を通して心が目覚め、真の神を信じる信仰を持ちクリスチャンとなりました。それから彼は、人々にイエス・キリストを伝え始めました。彼はバイブルリーグからスモール・グループ・リーダーとしての訓練を受け、10以上の聖書研究グループを立ち上げました。彼の最大の夢は、それぞれの聖書研究グループが教会に発展することで、それが実現するのを見届けたいと願っていつことです。

国の調査によれば、約3,300万人のペルー人口の4分の3はキリスト教徒です。大多数はカトリック教徒です。彼らの信仰は、聖人像を崇拝する信仰に限られています。イエスとの生きた関係を持つ人はほとんどいません。ペルー聖書同盟のアレハンドロ・シルバ代表は、「聖書研究グループを通して、多くの人は初めてキリストの十字架は何を意味するかを理解し、イエス・キリストへの信仰を持つようになる。」、語っています。ペルー聖書同盟は、2023年10万人以上の人々に聖書研究グループを通して福音を伝えました。若者たちはコースに参加すれば、全員が聖書を受け取ります。ペルーの貧しい人々にとっては、聖書は手の届くものではありません。聖書と教材への需要が高まっていることは、ペルーで神が働いておられることを示しています。ペルー人口約3、300万人の約66%がカトリック教徒、約22%がプロテスタント教徒、そして約7%が無宗教です。どうぞ、お祈りください。

ホセ・シルバ牧師
聖書研究コースを履修し、聖書と証書を手にする姉妹

 

アルジェリア

ユセフ・オウラマネ牧師

控訴裁判所は、キリスト教改宗者とキリスト教会指導者に、きびしい判決を言い渡しました。ユセフ・オウラマネ牧師は2023年6月、「不法な礼拝を先導した」罪で懲役2年、罰金10万アルジェリア・ディナール(約12万円)の判決を受けました。しかし、当局は彼の判決の証拠を何一つ提示しませんでした。2023年年11月、ユセフ・オウラマネ牧師は2年から1年に減刑されましたが、ティジ・ウーズーの控訴裁判所は、今年4月末さらに6ヶ月の執行猶予付き判決を追加しました。オウラマネ牧師はイスラム教徒家庭出身者ですが、学生時代にイエス・キリストを信じました。そしてプロテスタント教会牧師を30年間務め、さらにアルジェリア福音同盟(EPA)副会長の任にもついています。控訴裁判所があるティジ・ウーズは、首都アルジェの東約100キロに位置しています。どうぞアルジェリアとオウラマネ牧師のために、お祈りをお願いします。

エジプト

ウイーンの「クリスチャン・イン・ノート」(CiN)の発表では、前号でお知らせしたマラエル・アサード・ロマーニ女子学生(19歳)は無事に釈放されました。彼女は大学の試験後に突然姿を消し、誘拐されたものと考えられていました。CiNは、「彼女はイスラム教に強制改宗させられるようとされましたが、事件が公に開示され世界中の人々が、とりなしの祈りを捧げた結果である。」、と述べています。警察は家族に詳細は公表しないように命じているとのことです。皆様のお祈りに感謝します。

ドイツ

ハンブルクのイスラム主義者たちのデモ

ハンブルクをはじめ他の都市において、過激派イスラム教徒はドイツにおける「価値観の独裁」に反対するデモを行いました。ドイツでは最近、移民や難民としてドイツに移住したイスラム教徒(とその家族)数が増加し社会問題化してきました。ニーダーザクセン州は、この度若者のイスラム主義意識について、9年生を対象に308人から意識調査を行いました。その調査によれば、①コーランの規則(イスラム教法規であるシャリア)は、ドイツの法律よりも重要である。と答えた若者は68%でした。②現代の問題を解決できるのはイスラム教だけである。と答えた若者は52%でした。③イスラム教の神権政治は最良の政府形態である。と答えた若者は46でした。質問は他にも続きましたが、イスラム教意識の高まりと「カリフ主義」思想の高まりにはつながりがあると、スザンネ・シュレーターキ教授(フランクフルト大学イスラム教学者)は語っています。現在のドイツでは、このイスラム教徒の宗教観は無視できない大きな課題となっています。どうぞ、お祈りください。

デモに参加したイスラム教徒

「小さな奇跡」と評されたドイツの出生率は、移民・難民の急増によって増加しています。ドイツ連邦統計局によれば、現在生まれる赤ちゃんは平均で四人に一人は外国人という数字です。一方ドイツ人の出生率は減少化となっています。そこで話題となるのが子どもにつける名前です。昨年ドイツの三つの州(ベルリン州、ブレーメン州、ハンブルグ州)において、最も人気のあった男の子のファースト・ネームは「モハメット」でした。ヘッセン州とノルトライン・ヴェストファーレン州では、イスラム教創始者の名前である「モハメット」は第2位でした。2023年は、モハメッドがトップだったのはベルリンとブレーメンのみでした。2023年、全国平均で最も人気のあった男の子のファーストネームは、前年に引き続き「ノア」でした。ノアに続いてマテオ、レオンと続き、昨年ドイツで最も人気のあった女の子の名前は、ソフィア、エミリア、エマでした。 このようなドイツ社会の変化に伴い、大多数のドイツ人は今後イスラム教国からの移民・難民の受け入れに消極的となっています。これは今年4月に行われた、報道機関NIUSの調査です。調査に協力したドイツ人の52%が、イスラム教国からの移民・難民を基本的に受け入れるべきでないと返答しました。34%が回答することを棄権し、14%が無回答でした。ドイツでドイツ人が少数派となることに不安はないかという問いに、54%の人たちが不安であると答えました。37%が棄権し、9%が無回答でした。ドイツ社会は今、大きく変わりつつあります。どうぞ、お祈りください。

2023年、ドイツ国教会(EKD)から約38万人が教会籍から外れました。その内34万人が死亡による自動除籍でした。脱会者の増加によって教会税による収入は、前年度に比べ5,3%減少となりました。多くの国教会の日曜礼拝では、空席が目立つ状態となっています。どうぞ、お祈りください。

米 国

事件はビデオに写っていた

 26歳の男が教会の礼拝中に牧師を射殺しようとしました。

事件が起こったのはペンシルベニア州ノース・ブラドックにある「イエスの住まい教会」でした。ビデオには、グレン・ガ-・メニー牧師が壇上に立って説教しているところへ、犯人が走ってきて銃を向けているのが映っています。警察は「銃が詰まっていたため、彼は発砲できなかった。」と、事件後に説明しました。教会執事が、そこで銃を犯人から取り上げました。

 グレン・ジャーマニー牧師は、「銃弾が外に出ないように、神が銃を封じられたのです。」と、ラジオ局『WPXI』に語りました。犯人は精神疾患を患っていました。ジャーマニー牧師は事件後、犯人と話したと『WPXI』に語りました。犯人は、「頭の中の声が牧師を撃てと言った。」と聞こえたと言いました。しかし犯人は事件後、実際に牧師に謝罪しました。牧師は、「私はあなたを赦し、あなたを愛していることを知ってほしい。」と伝えました。警察は重傷傷害と殺人未遂で捜査しています。

ジョン・高牧師

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