ブラジル

受洗したオスバルド・ペレイラ・デ・ソウザ氏

ブラジル西部の都市クイアバ(マトグロッソ州)で、104歳の男性が人生で重要な一歩を踏み出すことを決意しました。地元の数多くのマスコミが、特別な出来事として報じたのは、高齢のオスバルド・ペレイラ・デ・ソウザ氏が洗礼を受けたことでした。彼は男やもめで4人の子どもの父親であり、祖父であり曽祖父でもあります。7月16日、彼は故郷のサン・クリストヴァン地区のペンテコステ・アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教会で洗礼を受けました。多くの友人、家族、教区民がこの特別な洗礼式の瞬間に参列しました。司式者ロサルボ・マカウバ牧師は、洗礼は霊的再生の象徴であり、イエス・キリストに従うことを公に宣言するものであると強調し、老人の忍耐強い信仰を称えました。クイアとその周辺地域の アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団会長の シラス・パウロ・デ・ソウザ牧師もまた、オスバルド氏の信仰の一歩を喜びました。イエス・キリストを救い主として受け入れるのには、高年齢は障害にはなりません。

国連児童基金(ユニセフ)

現在の世界は深刻な危機に直面し、世界中で約1億1、030万人の子どもたちが緊急の支援を必要としています。これは、国連児童基金(ユニセフ)が8月19日の「世界人道デー」に発表したものです。ユニセフ・ドイツのクリスチャン・シュナイダー事務局長(ケルン)は、「2023年は、子どもたちにとって特に厳しい年となり、世界中でかつてないほど多数の子どもたちが、人道支援を必要としている。」と述べました。その理由は、「世界の戦闘地域における深刻な人権侵害」、「劇的な飢餓危機」、「保健医療の欠如」等があげられます。エチオピア(1,650万人)、アフガニスタン(1,580万人)、スーダン(1,400万人以上)の子どもたちは、特に人道支援を必要としています。ウクライナでは、410万人の子どもたちがロシアの侵略戦争の影響を受けています。ユニセフによれば、アフガニスタンでは64%の世帯が基本的ニーズを満たすことができなくなっています。どうぞ、お祈りください。

ベトナム

国際人権協会(IGFM)とキリスト教出版社IDEAは、9月の「今月の囚人」にベトナムの伝道者Y・プム・ビャ師(59歳)を選びました。現在、獄中生活を強いられているビャ師のために立ち上がり、彼のために祈るよう呼びかけています。7人の子どもの父親である彼は2018年4月10日、警察がダクラク省にある家の教会を襲撃した際に逮捕されました。実はその前年に、当局は彼の家の教会の存在を認めませんでした。彼が収容されている刑務所は、ベトナム中央高原にあります。彼は2018年に逮捕された後、警察で尋問中に殴打されて電気ショックを受けました。当局は彼に教会での礼拝行為を止めるよう、誓約書への署名を強要しました。彼は、少数派の権利と信教の自由を求め、平和求めるキャンペーンを展開していました。

2019年1月31日、プム・ビャ師は懲役14年の判決を受けました。理由は、国家統一という国策を損なったことでした。公式には、東南アジアの国では憲法により信仰と宗教の自由があります。しかし、キリスト教は西洋の宗教とみなされ、否定されることが多いのが現実です。IGFMとIDEA社は、ベトナムのグエン・スアン・フック大統領に宛てた書簡の中で、伝道者の釈放を求めています。ベトナムは1982年以来、信教の自由を保障する市民的及び政治的権利に関する国際規約の締約国です。統計では、ベトナムは人口9千900万人、自然宗教76%、仏教徒15%、キリスト教徒9%です。どうぞビャ師の速やかな釈放と、ベトナムのクリスチャンのためにお祈りください。

デンマーク

デンマークでは、政府がコーランを公の場で燃やすことを禁止する法案を出そうとしています。最近、イスラム教の聖典コーランを焼却する行為が発生し、イスラム国家から大規模な抗議行動を起こっています。デンマークのピーター・フンメルガード法務大臣は、「聖書やトーラなどの他の宗教的著作物も、特別に保護されることになる。」と語り、政府は刑法改正案を提示しました。違反者には、罰金または2年以下の懲役が想定されています。デンマークの野党は政府の弱腰を非難しています。スウェーデンでもコーラン焼却事件が起きており、少数派政府は現在、将来的にこのような行為を禁止する方法を検討しています。この計画には反対意見も広がりつつあります。国会通過に必要な過半数はないだろうと思われますが、両国とも表現の自由という憲法上の権利は、伝統的に非常に重要である立場です。どうぞ、お祈りください。

イラン

イランでは刑法改正によって、女性のスカーフ着用が強制されることになります。報道によれば、議会の委員会がこの法案を承認しました。草案はシーア派イスラム教徒のみで構成される最高保護評議会に渡され、評議会が最終決定を下します。草案によると、女性は複数回の違反で罰金と最高15年の懲役に処されます。また、ヘッドスカーフを着用していない女性にサービスを提供したり、雇用した事業主に対しては、罰金や追放禁止が規定されます。ショッピングアーケード、レストラン、美術館などは、違反すると閉鎖される可能性があります。著名な公人(女優など)は、最高15年の職業禁止処分を受けることにもなります。そして外国人女性は国外追放となります。この国にためにお祈り願います。

ケニア

ケニアでは5つの教会が活動を禁止されました。AFP通信(パリ)によれば、ポール・ン・テンゲ・マッケンジー牧師が率いる宗教団体「グッド・ニュース・インターナショナル・ミニストリーズ」もそのひとつです。彼は400人以上の信者に「イエスに会う」ために餓死するよう勧めたとされています。AFP通信によると、検死の結果、犠牲者の何人かは首を絞められたり、窒息死させられたりしていたことが明らかになりました。当局はまた、テレビ伝道者エゼキエル・オデロの教会と組織も禁止しました。AFP通信によれば、彼はマッケンジー牧師と関係があったようです。彼は殺人、自殺幇助、マネーロンダリングの容疑で捜査を受けていました。しかし彼は5月に保釈されました。アフリカ大陸でも異端活動が活発化し、人々の心が大きく揺さぶられています。キリストの福音が、正しく宣べ伝えられますようお祈りください。

パキスタン

破壊されたキリスト教徒の家の中

8月16日は、パキスタンのキリスト教徒にとって「暗黒の日」として歴史に残ることになりました。怒り狂った暴徒がジャランワラ市のキリスト教地区を襲撃しました。人権弁護士であり、支援団体"The Voice Society"の創設者であるアニーカ・アンソニー女史は、被害地を訪ねて次のように報告しました。

 8月16日に起こったジャランワラでの暴動事件は、21のキリスト教宗派の教会堂が襲撃を受け破壊され、さらに放火されました。聖書、信仰書、絵画、十字架など、何百もの宗教的なものが冒涜されました。破られた聖書の残骸、壊れた教壇やその他の調度品が街に散乱しました。実にショッキングな破壊光景は、パキスタン建国から75年経った現在の現実です。パキスタンではキリスト教徒は、まだまだ二級市民とされています。

 今回の暴動は、クリスチャンの所有財産の破壊はもちろん、クリスチャン自身をも破壊することが攻撃の標的でした。怒り狂ったイスラム教徒の暴徒たちは、通りかかりの家を次々に襲撃し、衣類や家具のほとんどを略奪し、犯人たちはすべてを焼き払いました。彼らは、鉄でさえ溶けるほど熱く燃える化学薬品を使用しました。そこで残されたのは、茫然と立ちすく無力なクリスチャンたちでした。

破壊された家の住民

 アンソニー弁護士は人権団体のリーダーとして、約300世帯の被災者に食料を提供し配りました。そして被災者たちの廃墟と化した家々を訪ね、彼らの要望を聞きました。部屋はかろうじて通れる程度で、壁の隙間には消火器があり、刺激的なガスを放っていました。

 シェナズ・ビビ夫人(52歳)も被災者の一人で、夫と3人の子どもと一緒にカトリック教会の隣に住んでいました。教会堂も家も大きな被害を受けました。夫人は、テロが起きる前に、周囲のモスクの拡声器から「コーランの名誉を守ろう」という呼びかけを聞いたと言います。また彼女は「襲撃者が来たとき、それは大混乱状態となり、全てのキリスト教徒がパニックに陥り、家を飛び出し野原に逃げました。そして近くに親戚がいる者は、親戚のところへ行きました。私たちも40分ほど離れた、ファイサラバード市の親戚の家に避難しました。私たちの家は焼けてしまい、教会も近所も分からなくなり深刻なトラウマとなった。」と証しました。

 クリスチャン街にあった約150軒の家屋のうち、約100軒が破壊されました。奇跡的に死者が出なかったのは、おそらくキリスト教徒がすぐに逃げ出したからと言われます。今回の暴挙は、3人のキリスト教徒に対する冒涜的な告発が引き金でした。一部のイスラム教徒は、キリスト教徒のラジャ・アミール・マシ、弟のロッキー、父親のサリームがコーランのページを破り、冒涜しているのを目撃したと主張しました。アンソニー弁護士は、これは復讐行為の口実に過ぎないと考えています。そのわずか数週間前、過激なイスラム教徒たちは、スウェーデンでのコーラン焼却事件を受けて、パキスタン国内のキリスト教徒への攻撃を繰り返し呼びかけていました。ジャランワラでの攻撃の後、国中のイスラム教徒が他の都市でも同様のポグロムを呼びかけました。多くの場所で警察の警備が強化された。  

アンソニー女史

警察は当初、ジャランワラでの暴徒との対決に消極的でした。公式には、3人のキリスト教徒と約100人の襲撃者は現在拘留されています。政府は、「破壊された家屋は再建され、被害者には補償金が支払われる。」と発表しました。アンソニー女史は、「クリスチャン人権弁護士として、それが実現するかどうか大いに疑問である。私は神を冒涜した罪で告発されたキリスト教徒に対する当局の不正を、あまりにも頻繁に目撃している。」と語っています。神への冒涜という非難が、当局が介入することなく、無実のキリスト教徒に対する復讐行為に悪用されることがあまりにも多いのです。キリスト教区に住む聖徒たちは「もう、たくさんだ」と泣き叫んでいます。人口2億3千万人のパキスタンの約96%はイスラム教徒、キリスト教徒は2%です。どうぞ、お祈りください。

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