ドイツ

キリスト教西洋文明の信仰の基盤である「ノアの箱舟」を、可視化してみようという大規模なテーマパークを建設しようとしています。背後にある団体「キリスト教文化公園」の会長ラルフ・キーファー氏は、福音自由教会の神学者で聖書教師のロタール・ガスマン師の支援を受けて、2023年からこのプロジェクトを推進しています。計画されている場所は、ブラウンシュヴァイヒとマクデブルクの間のA2高速道路沿いに位置します。この高速道路だけで、発起人たちの計算によると年間約4000万件の視認接触が見込まれるという。このコンセプトはまさにそこに焦点を当てています。好奇心を呼び起こし、「通りがかりの」人々を引き付けることにあります。具体的な土地購入はまだ行われていませんが、所有者からの書面による意向書は出ており、約9ヘクタールの土地を長期間の借地契約が予定されています。

 公園の中心には、聖書の寸法に基づいた歩行可能な「ノアの箱舟」が造られる予定です。しかし、米国ケンタッキー州の箱舟の複製とは異なります。中の展示物は創造だけに焦点を当てたのではありません。「聖書66巻のすべてを表現可能な限り、その内容を提示することにあります。私たちは聖書の世界を『歩いて体験できる』ようにすることができます」、とキーファー氏は語っています。会場には、2つの相互に連結した展示エリアが計画されています。一つは、創造からイエス・キリストを経てヨハネ黙示録に至る、「赤い糸」を持つ聖書展示です。二つ目は、聖書の創造論に対する自然科学的証拠を提示する科学展示です。そこは、聖書の価値観、歴史、社会に与えた影響を表す文化展示会場となります。宗派的な特殊教義や教会政治的な議論ではなく、「聖書に書かれていること」に集中したいと強調しています。目標は、献身的なキリスト教徒の間で可能な限り広範なコンセンサスを得ることです。  展示はまた、救い主としてのイエス・キリストを指し示すものともなります。また、自由にアクセスできる緑地で憩いの場所を備えた「出会いの公園」も設ける予定です。さらに、1階には講演会、パネルディスカッション、特別展示のためのスペースも用意されます。費用はかなり高額で、現在の見積もりでは約2400万ユーロ(約44億4千万円)となります。発起人たちは、献金、キリスト教企業家からの寄付、段階的な実施によってプロジェクトに資金を満たす予定です。彼らはクラウドファンディングも検討しています。団体によると、すでに最初の意向書は存在しているそうです。しかし、舟の建設を開始する前に1200万ユーロに達する必要があります。建設がいつ始まるかは、建築許可と建築計画の策定に関係しますが、早くても2027年です。支援者には、これまでのところ元ZDFキャスターのペーター・ハーネ氏、ブラウンシュヴァイクの連邦物理工学研究所の元所長ヴェルナー・ギット教授、分子生物学者のペーター・ボルガー氏などが含まれています。

公園内のノアの箱舟、建築予想図

ウクライナ

 戦士した兵士たちの

2月24日、ロシアによるウクライナ全土への残虐な侵攻から4年が経ちました。国際法違反のクリミア併合以来、戦争は既に12年に及んでいます。そして、長期間にわたる出来事にはよくあることですが、それは日常となり、背景に追いやられていきます。ウクライナもまさにそうなっています。報道や社会的関心は薄れてきました。2022年には「ウクライナ」という言葉は、Googleのヘッドライン欄で検索ワード第1位でした。しかし2025年にはトップ10にすら入らなくなりました。

〈深刻な影響を受けている子どもたち〉

 苦しみの大きさを改めて意識に呼び戻すために、個人的な体験談だけでなく、数字も役立ちます。援助団体「ワールド・ビジョン」の発表によれば、戦争開始以来、ウクライナの子どもの5人に1人が身近な人を失っています。特に前線沿いでは、子どもたちは暖房のない地下室やシェルターで何千時間も過ごしてきました。彼らは防空壕の中で育ち、そこで学び、遊ばなければなりません。可能な子どもは、心理的ケアを受けています。「ワールド・ビジョン」のウクライナ支援プログラム責任者アルマン・グリゴリヤン氏によれば、精神的な傷は増大しており、「社会に長く影響を与え続けるだろう」とのことです。

墓地心理学者のケアーを受ける子どもたち

〈1500万人がトラウマを抱える〉

 約1500万人が、戦争によってトラウマを受けたと言われます。数十万人の兵士が戦死し、数十万人の市民が氷点下の気温の中、何週間も安定した電力や水の供給もなく、暖房もない状態で生活しています。ロシアが意図的に民間インフラを破壊しているためです——これは国際法で禁じられている行為です。

〈人々を打ち砕く〉  ロシアは人々を打ち砕くために、寒さと破壊を意図的に武器として使用していると、ディアコニー災害援助機構の責任者マルティン・ケスラー氏は語ります。戦争の終結は依然として見通せず、和平締結をめぐる議論は続いています。そしてそれとともに、民間人の苦しみも続いています。数多くのキリスト教支援団体が現地で活動しており、寄付によって支援が続いています。どうぞ、祈り覚えてください。

毛布に包まれ遺体となったデモ参加者

ナイジェリア

カドゥナ州クルミン・ワリで、拉致されたキリスト教徒少なくとも163人が解放されました。1月18日、武装集団は二つの礼拝から彼らを連れ去っていました。報道によると、複数の政府機関による合同作戦によって解放が実現しました。ナイジェリア・キリスト教協会(CAN)のジョセフ・ハヤブ牧師は、カドゥナ州知事ウバ・サニの尽力に感謝の意を表しました。さらに、キリスト教徒が多く住むベヌエ州イェルワタでの虐殺事件に関連して、9人の首謀者とされる人物がテロリズムの罪で起訴されました。支援団体「オープン・ドアーズ」は、この裁判を重要な前例と評しています。ナイジェリアは、キリスト教徒への迫害が最も激しい国を示す世界迫害指数で第7位に位置しています。人口約2億3000万人のうち、キリスト教徒とイスラム教徒がそれぞれ約46%を占めています。長年続くこの国の混乱のために、お祈りをお願いします。

イラン

イランでは2025年、宗教的信念や活動を理由に逮捕されたキリスト教徒の数が、前年のほぼ2倍に達しました(139人に対し254人)。これは、オープン・ドアーズ、Article18、CSW(クリスチャン・ソリダリティ・ワールドワイド)、および「ミドル・イースト・コンサーン」の4つのキリスト教支援団体による共同年次報告書で明らかになりました。報告によると、禁固刑、追放、または強制労働に服したキリスト教徒の人数も、2024年の2倍以上に上り(25人に対し57人)ました。さらに、より厳しい刑罰への傾向が見られ、少なくとも11人のキリスト教徒が10年以上の禁固刑を言い渡されました。イランの裁判所が、2024年にキリスト教徒に対して科した禁固刑の合計は263件であったのに対し、2025年には合計280年に達しました。  ここまで筆者(黒田)が原稿を書いていたところ(2月28日)、米国・イスラエルがイランに集中攻撃を始めたと報道が流れました。理由はイランの核開発阻止です。しかもこの大規模作戦によって、イラン最高指導者ハメネイ師は殺害されました。イランはこれに応戦しています。今後、戦火は簡単には消えることはなく、中東全体、また日本と世界に少なから影響がくるものと考えられます。イランにも教会はあり、クリスチャンもいます。どうぞ、この戦争と現地の方々のためにお祈りをお願いします。

トルコ

トルコ・イスタンブール

トルコ政府は、キリスト教宣教師を意図的に国外追放しているとの非難を否定しました。トルコ外務省は声明の中で、トルコによるキリスト教徒の不法な国外退去を非難する欧州議会の決議に反論しました。声明では、いかなる外国の機関もトルコの司法手続きに干渉する権利はないとしています。しかしEU議会は、欧州人権裁判所の決定に対応したものです。トルコも承認している同裁判所は、現在、外国人キリスト教徒に対する入国と滞在禁止の20件を審査中です。これに関連して、同裁判所はトルコ政府に見解の提出を求めていました。人権団体ADFインターナショナルによれば、入国・滞在禁止の理由は、トルコにおける信仰を公言するキリスト教徒の活動があると言います。同団体は対象者の一部を代理していますが、影響を受けた人々は主に外国人プロテスタント宣教師です。トルコ内部の安全保障コードに基づいて、国家安全保障上の脅威と分類されたようです。その結果、彼らとその家族は出国を余儀なくされたり、海外渡航後の再入国を拒否されたりしました。お祈りください。

イタリア

銀メダリスト丸山希選手の記者会見を通訳するナイツェル師

「ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック」で、ボランティアで活躍した元ドイツ人宣教師がいました。彼の名前はマルクス・ナイツェル師で、通訳兼ヘルパーとして活躍しました。彼の業務は、日本チームの付き添い(組織的な事務からドーピング検査や医師の診察時の通訳まで)が含まれました。ナイツェル氏はオリンピック村に駐在し、二階堂蓮選手や小林陵侑選手など、男子ペアチームスプリングの優勝候補に数えられる選手たちの通訳を務めました。また、銅メダリストの丸山希選手の記者会見でも通訳を担当しました。

 ナイツェル師は今回、多くの選手と親密な関係を築き、感動的な瞬間を間近で体験しました。2月14日にラージヒルで銀メダルを獲得した二階堂蓮選手のそばにいた時、二階堂選手は喜ぶのではなく、金メダルを逃したために「涙にくれていた」と言いました。彼は選手たちに聖書カレンダーやキリスト教漫画などのプレゼントを贈呈し、オリンピック村のチャペルに聖書を置いていました。選手たちは彼が牧師であることを知っており、「励ましを感謝して受け入れている」とのことです。特に競技後、緊張が解けた時に個人的な会話が生まれることが多かったと、ナイツェル師は語ります。一部の選手にとって、彼は父親や祖父のような存在であったそうです。  ナイツェル師は2013年から、定期的にスキージャンプ・ワールドカップでボランティア通訳として活動しています。オリンピックへの参加は今回が初めてでした、彼はOMFドイツ宣教団に所属し、1987年から2000年まで妻コニーさんと共に日本で宣教師として働きました。日本のクリスチャンと共に、5つの教会を設立しました。OMFインターナショナルは、1865年にイギリス人医師ハドソン・テーラー(1832-1905)によって中国奥地伝道団として設立された団体です。現在、40カ国から2,100人のスタッフが東アジアの約100の民族グループで活動しています。OMFドイツは福音主義宣教協議会(AEM)に所属しています。

 祈りの小冊子(独語版)


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