パキスタン

アネーカ・アントニー弁護士

●ラホレで人権擁護の立場に立つアネーカ・アントニー弁護士は、21歳のクリスチャン女性であるパトラス・マシー氏の人権擁護を担当しています。一例としてパトラス氏はイスラム教宗教指導者から、イスラム教を軽視した言動から傷を受けたと訴えられています。また17歳の少年はフェイスブックでイスラム教を軽視する画像を流したという理由から取り締まりを受け、2018年以来拘束されています。パキスタンの法律では預言者マホメットを冒涜する行為は、死刑判決を受ける厳しい処分となります。また聖典コーランを誹謗中傷する者には、終身刑が課せられます。パキスタンの法律では裁判審議が2年間進まない場合、被告は保釈金を払い釈放されることとなっていますが、いずれも拒否されてきました。アントニー弁護士は他に6件の同じようなケースを擁護中です。お祈りください。

●パキスタンは1947年に建国されましたが、9年後に世界初のイスラム国宣言をした国家です。そのためクリスチャンと他の宗教の信徒は、非常な忍耐を強いられています。宣教は許されますが、イスラム教徒への伝道は禁止です。イスラム教冒涜に関しては厳しい罰則があり、国民は不安を抱いています。そのような中でも、宣教団体「アガペー・トラスト」のミッション・スクールが建てられ、校門前には警察官と武装した保安官が立っています。治安はよくありません。2013年には、礼拝を終えた信者が中庭でお茶を飲んでいたところ、IS(イスラム国)の2人の自爆テロリストの襲撃によって100人もの人々の命が失われました。今年1月末、ペシャワでも聖公会の2人の聖職者がタリバンによって殺害されました。その後、シーア派の信者が同じく殺害されました。

アネーカ・アントニー弁護地下教会で礼拝するクリスチャンたち

このような社会状況下で、クリスチャンたちは他の国々に比べて強い結束力を持っています。彼は主にあって忍耐を持ち祈り、活ける主を礼拝していいます。どうぞ、パキスタン国と法律、特にクリスチャンのためにお祈りください。

ナイジェリア

破壊された礼拝堂

今年のペンテコステの聖日に、オヴォのキリスト教会が何者かによって襲撃され100人ほどが死亡しました。犯人と事件の詳細は不明ですが、ナイジェリアではクリスチャンと教会に対するゲリラ攻撃が頻繁に起こっています。5月29日には、ナイジェリア・メソジスト教団最高責任者サムエル・カヌー・ウチェ牧師が南東のアビア市を訪問中、同行していた二人とともに武装犯人たちに誘拐されました。しかし彼らは翌日解放されましたが、犯人側は身代金約2億8千万円を要求していました。実際に身代金が支払われたかどうか不明です。キリスト教会やクリスチャンへの襲撃事件はこれまで、比較的安全と言われた南部で発生していましたが、今回のオヴォの事件によって大きな緊張が走りました。ナイジェリアはこれまでもクリスチャン迫害度の高い国として知られていますが、憎悪と暴力からくる殺人行為は止まることがありません。被害者は男性だけでなく女性と子どもたちにもおよび無差別殺人が発生しています。人口約2億600万人のナイジェリアでは、イスラム教徒とキリスト教徒との衝突が続いています。どうぞ、この国のためにお祈りください。

病院で手当を受ける人たち

イスラエル

5月11日ヨルダン川西岸ジェニンで、クリスチャン・ジャーナリストのシレーン・アブ・アケー女史(51歳)が銃殺されました。アケー女史はアラビア系チャンネル・アルジャジーラの記者で、イスラエル軍のミッションを取材中でした。誰がどんな目的で、彼女を殺害したかは不明です。彼女はパレスチナ自治政府と米国の旅券を所持していました。パレスチナ自治政府のアッパス議長はイスラエル側の葬儀への協力を拒否しました。葬儀はシンボリックな形式となりました。パレスチナ自治政府とイスラエル側双方は、この厳重な警戒態勢下で、なぜこのような事件が起こったか不明であると主張し、国際裁判所へ提訴するとのことです。

5月13日に行われた葬儀では、パレスチナ人とイスラエル警察との間で衝突が発生しました。イスラエルの安全機関の発表では、暴動は約300人にもふくれ上がりました。そのためアケー女史の棺を墓地まで移送することが困難となり、家族と友人たちによる徒歩による墓地への行進は中止されました。棺はイスラエル警察の厳重警戒のもとで、セント・ヨセフ病院から墓地へ移送されました。その様子はビデオで中継されましたが、それでもツイッターなどで集まった群衆が投石し棺の搬送を妨害しました。このように突然、アルジャジーラのクリスチャン記者の命が失われました。お祈りください。

キフル・ゲブレメスアケ―女史のシンボリック(象徴的)な葬式

イスラム教国イランでは、イエス・キリストを信じる聖徒たちは地下教会で信仰生活が強いられています。しかし地下活動の全ては違法であり、摘発されると厳しい尋問による取り調べ、さらに拷問が課せられ非人道的な調べが続きます。収監先の刑務所ではさらに過酷な生活が待っています。2020年だけで、クリスチャンがイエス・キリストの信仰のために裁判で受けた判決月数の合計は、1,760ケ月にもなりました。保釈金だけでも1億2千万USドルです。今も多数の兄弟姉妹が投獄されていますが、ここに3人を紹介します。

ナサール・N・タペー兄弟は2016年6月24日に逮捕されましたが、4ケ月後に保釈金を積み出所しました。しかし2017年5月再逮捕され、10年の刑を受けました。そして2018年1月20日以来、彼は悪名高いエビン刑務所に移動させられ厳しい拷問を受けています。彼は改善要求を3回申請しましたが、すべて却下されました。次にカリル・デークハンポア兄弟です。彼は2019年1月29日、カリールの地下教会で突然家宅捜査を受け信仰書、携帯電話、身分証明などが没収されました。この地下教会牧師はすでに逮捕されており、デークハンポア兄弟がその任を務めていたところでした。現場にいた他の8人の兄弟たちも同じく逮捕されましたが、デークハンポア兄弟は5年の刑を受け服役中です。3番目のザエス・ザマン・ファダイエ兄弟は聖餐式で「ぶどう酒」(イランではアルコール禁止)を口にした理由から逮捕され、80回の「ムチ打ち刑」と6年の実刑、さらに2年の国内の流刑判決を受けました。このような厳しい国においても、イエスをキリストと信じる聖徒たちは信仰を捨てることなく、活ける主に仕えています。どうぞ祈り覚えてください。

ド イ ツ

クリムプシュ牧師夫妻

●新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はパンデミックを引き起こしましたが、その最中にキリストの教会(改革派系福音自由教会)が新しく誕生しました。2020年、ミハエル&エスター・クリムプシュ牧師夫妻はブランデンブルク州の小さな町プリッヴァルクで、開拓伝道を開始する決心しました。ミハエル・クリムプシュ牧師は、南ドイツのキルヒブルク聖書学校で神学教育を受けた後、あえてクリスチャンが非常に少ないこの町に移り住み伝道する心に燃えていました。ところが彼らが現地入りし教会の開所式を始めようとした時に、コロナ・パンデミックが来ました。集会を開くことは禁じられ集まることができなくなりました。

そこで彼らは町の中央にあるマルクト(青空市場)で、毎週末に野菜、果物、チーズ等が売られている横にテーブルを置き、聖書、トラクト、信仰書、教会案内チラシ等を陳列し買い物に来た人たちに個人伝道しました。しかし、公式に集まり礼拝を開くことはコロナ禍で許されませんでしたので、毎週オンラインによる祈祷会を始めました。すると祈祷会が次第に発展し、集会所を借りて集まることができるようにまで導かれました。クリムプシュ牧師夫妻は、「急いで教会建設に取り組むのではなく、出来ることに忠実でありたかった。」と振り返り語っています。彼らは生ける主である神を信頼し、将来的には自分たちの会堂を建てる導きを受けているそうです。コロナ禍で誕生したキリストの教会は、良い証しとなっています。どうぞ、お祈りください。

●ヴュルテンベルク州立図書館には、世界に類のない多種の聖書が陳列されています。ここでは単に「いのちのことば」としての聖書というより、歴史の中の美術的視点から「目でみる聖書」が並べてあります。この図書館には800言語で約2万2千冊の聖書がありますが、実際には109冊の聖書が陳列されています。それも厳重なガラス箱の中に保管され、他は一般陳列されていません。この図書館でもっとも貴重な聖書と言われるのは、1630年の手書きの「メリアン聖書」です。この聖書はスイス人彫刻家マテアス・メリアン(1593年~1650年)による234枚のピクチャーです。当時、この聖書はもっともよく知られた聖書で、はじめにメリアン氏は「この聖書は私一人で完成したものではなく、神の不思議な導きと敬虔な心で熟考した結果である。」と記しました。芸術家の信仰心と聖書の神学的深さは、多くの作品に反映されるものです。興味深い点は、歴史とともに多くの芸術家たちが聖書に心動かされ作品を残したことです。歴史の中には、画家レムブラント(1606年~1669年)、画家シャガール(1887年~1985年)、シュールレアリストのサルバドール・ダリ(1904年~1989年)等、多数の聖徒がいます。

興味深い聖書としては、なんと世界一長い聖書があります。2013年に召されたシュトゥットガルトの画家ヴィリー・ヴィーダーマンは彼の死後、息子によって屋根裏にあった箱の中から貴重な絵が発見されました。その絵は創世記からヨハネ黙示録までの計3,333枚で、並列すると1.17kmにもなる世界一長い絵聖書と言われます。敬虔派信仰の影響を受けた彼は、16年間の年月をかけて描き上げそうです。ヴュルテンベルク州立図書館では、このように他に類ない様々な聖書が陳列され話題となっています。

クリムプシュ牧師夫陳列棚に見られる聖書

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