ドイツ

マシャリ兄とタクシー

イラン出身のタクシー運転手ジャリル·マシャリ兄は、聖書の一節のために88.50ユーロ(約1万3,275円)の罰金を払わなければなりません。キリスト教人権団体のADFインターナショナルによれば、エッセン市は彼に罰金支払い命令書を発送しました。市当局は2023年10月、マシャリ兄が聖書のみことば「わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。」のステッカーをタクシーに貼ったのは違法な「宗教的広告」としました。そしてコメントするよう要求し、彼に最大1万ユーロ(約1万5千円)の罰金を課すと伝えました。しかし、マシャリ兄はステッカーの内容、位置などは、管理可能の大きさのため、違法な広告ではないと主張しています。彼は法的に自衛することを望み控訴し、「イエスは私の人生を変えてくださったお方で、私が推薦できる最高のお方である。ですから、興味ある人全員が見れるように、私のタクシーにステッカーを貼りたいのだ。他人に迷惑をかけたくはないが、私は間違ったこともしていない。すべての人が、自分の信頼を共有する自由を持つこの国に感謝する。」と語っています。

ドイツでは近年、未成年者で精神疾患を患う人々が急増しています。ドイツ連邦統計庁発表によれば、2021年に入院した10歳から17歳の子どもたちで最も多かったのは精神疾患に関する病気で、約8万1000件ありました。それはその年代の約19%を占めていました。10年前は7万5、200件で13%でした。中でも女子が男子より多く精神疾患を患っていることが分かりました。病んでいる女子は10年前は13%でしたが、今回は24%となりました。特別指導教師であるカースタィン・シュラーフ女史は、「これは深刻な問題である。」と語っています。彼女は学校で約20年間にわたり、精神疾患で病む子どもたちをケアーしてきました。どうぞ、お祈りください。

カースタィン·シュラーフ女史

タンザニア

ここ数年で最も深刻な交通事故の一つが、タンザニアで起こりました。この事故で25人が死亡し、11人が重軽症をおいました。宣教活動に励む若者たちの尊い命が失われました。これは宣教団体「ユース・ウイズ・ア・ミッション」のフランク・バウアー議長によって報道されました。バウアー師によると、2人の従業員は病院に入院しています。事故は2月24日夕方に、起きました。事故現場は走行中のトラック運転手が自分の車を制御できなくなり、2台のバスと1台の車両に衝突しました。警察による調査の結果、トラックのブレーキが故障していたことが判明しました。トラック運転者は事故現場から脱げましたが、法的責任を取らなければなりません。この事故で少なくとも25人が死亡し、うち11人は外国人宣教師でした。バウアー議長は衝撃を受け、「私たちは負傷した人々と亡くなった方々の遺族とチームを覚え、神が寄り添い慰めと力を与えてくださるよう祈ります。亡くなった職員たちは、キリストの福音を伝えるために命を捧げた方々であった。」、と語りました。

今回の事故で犠牲となった若者たちは、アフリカとヨーロッパから来た「宣教スピリットを持つ若者たち」でした。彼らはタンザニアで訓練を受けるため来ていました。事故が起きた時に、彼らはピクニックからトレーニングセンターへ戻る途中で、3台のバスに分乗していました。あるドイツ人スタッフは、事故と関係のないバスに乗っていたため、怪我はしませんでした。宣教団体「ユース・ウイズ・ア・ミッション」は、1960年米国のローレン·クニガム師によって設立されました。現在、世界約200カ国、2000ケ所以上で活躍する青年伝道チームです。

事故現場

お祈りください。



コンゴ

コンゴ民主共和国において、拉致された牧師と彼の妻の遺体が発見されました。これは国際宣教団体「オープン・ドアーズ」の報告です。1月30日、イスラム教テロリスト戦士たちがベイティ村で礼拝中に突入し、牧師の2人の子どもを含む5人の出席者を殺害し、彼と彼の妻を誘拐しました。報道によれば、牧師の誘拐は地元の教会を脅かす手段として使われました。コンゴではキリスト教徒が拉致されたら、その遺体が発見されるのは時間の問題と言われています。「オープン・ドアーズ」によれば、1月にこの地域でキリスト教徒を攻撃した過激派による攻撃で、少なくとも37人が死亡しました。他にも100以上の戦闘員がキリスト教徒を攻撃しています。お祈りください。

インド

国際支援団体である「ワールド・ビジョン・インド」(WVI)は、海外からの資金を受け入れることができなくなりました。インド政府が彼らのライセンス(活動許可)を取り下げたからです。同団体は近年、海外から多くの支援を受けて活動を進めてきました。広報担当のアイリス・マナー氏は、同団体は弱い立場にある子どもや家族、コミュニティへの支援を打ち切らなければならないことに、心を痛めていると語ります。しかし、マナー氏は「WVI」の活動は継続することが許されていると強調しています。ただし今後は、国内からの寄付金のみで活動しなければなりません。今回のライセンス剥奪理由については、明らかにされていません。同団体によれば、「WVI」の活動は長年にわたり、約260万人の子どもたちに愛の支援をしてきました。

インドでは、国際的支援団体「コンパッション」はじめ、他のキリスト教団体も海外からの資金を受けるライセンスを失っています。国際人権団体「ADFインターナショナル」は、これはナレンドラ・モディ首相率いるヒンドゥー民族主義政党BJPによる戦術と見ています。また、カトリックのニュース・プラットフォーム「UCAニュース」によれば、2014年以降、約1万6,000以上のNGO団体が海外からの資金を受け取るライセンスを失いました。お祈りください。

ロシア

2021年、3年半の実刑判決を受けたナワリヌイ氏

 ロシアの野党政治家アレクセイ·ナワリヌイ氏が、2月26日47歳の若さで亡くなりました。彼はシベリヤ北部の強制収容所に入れられ、長期間の懲役刑を言い渡されていました。収容所当局の発表では、彼は散歩後に意識を失いました。収容所医療スタッフは回復を試みたけれども、死亡が確認されました。死因については諸説があり、真相は不明です。2020年8月、彼は毒殺されようとされましたが、ドイツ・ベルリンの病院に移送され一命を取り止めました。彼は人間の尊厳、憎悪、無限の残忍性に勇敢に抵抗した人でした。彼はロシアの自由と人権の価値を擁護しようと努力をした人でした。しかし、ロシアでは闇がすべての権力を掌握しています。

 彼は2021年、モスクワ裁判所でキリスト教信仰を告白し、裁判で自分は神を信じる者であると証言しました。同席した敵対者たちは彼をあざ笑いましたが、彼は神への信仰を告白しました。その信仰が彼の政治活動に大きな影響を与えたと、言われます。彼は裁判席で山上の垂訓「義に飢え渇く者は幸いです。その人たちは満ち足りるからです。」(マタイ5:6)を引用し、正義に対して勇気をもって戦った反体制派でした。正義に満たされることこそ、ロシアにおいて大切であると主張しました。

ドイツのロシア大使館前のナワリヌイ氏の献花台

ロシアではこれまで、プーチン大統領にとって好ましくないと思われた人々が次々に殺害されたり、消えたりしました。アレクセイ·ナワルヌイ氏も、プーチン大統領の犯罪を大胆に非難し真実を擁護するために立ち上がり、命を捧げた人でした。ドイツのキリスト教雑誌「イデア誌」は、「人が自分の友のためにいのちを捨てること、これよりも大きな愛はだれも持っていません。」(ヨハネ15:13)と報じ、彼は死ぬまで愛の理想を裏切らなかったと報じました。

メキシコ

メキシコ・ユカタン半島で長年にわたり、二重生活をしていたとされるメノナイト派信者が、麻薬密売に関与したとして逮捕されました。ロサンゼルス・タイムズ紙(2月1日付け)の報道によれば、フランツ・カウエンホーフェン容疑者(40歳)は、麻薬密売に関与しため1年以上抑留されています。彼の本来の仕事は大豆農家ですが、17歳の時にカンペチェ地方に移り住み、9家族とともに「ラス・フローレス」集落を設立しました。

報告書によれば、カウエンホーフェン容疑者と妻は3人の子どもをメノナイト信仰で育て、低地ドイツ語を使うキリスト教会の礼拝に出席していました。同時に、麻薬密売人「ホアキン・エル・チャコ・グスマン」が数十年にわたり牛耳っていたシナロア麻薬カルテルと関係を持ち、長年働いていたと言われます。「エル・チャコ・グスマン」は、2016年に逮捕されるまで、メキシコとアメリカで指名手配されていた麻薬組織のボスの一人でした。カウエンホーフェン被告が麻薬犯罪に手を染めた理由は不明ですが、ロサンゼルス・タイムズ紙報道によれば、彼の妻が重い病気にかかり、その治療はメノナイト教団救済基金ではカバーできなかったからとのことです。妻は専門クリニックでの数回の手術をうけ、その後被告は50万ドル以上の借金を負ったと言われます。

警察に拘束されたフランツ・カウエンホーフェン容疑者

検察庁は、彼らはメキシコ南部の隣国(主にコロンビア)からメキシコ国内に麻薬を密輸し、トラックに積み替えて国外に運ぶために、小型飛行機用の非公式滑走路を作ったと発表しました。カウエンホーフェン容疑者は暴力事件にも関与し、対立する麻薬組織間の暴力事件で少なくとも10人の住民が犠牲となったと言われます。彼は「パンチョ・ロコ」のニックネームとして知られ、「汚い麻薬ビジネスに手を染めた人物として、彼のコロニーでは知られていました。しかし、コミュニティが国家との協力を拒否したため、これらの情報が外に伝わりませんでした。メキシコでは、約100年前に、10万人ほどのメノナイト派信者がメキシコに渡り周囲から隔絶し、独自の信仰共同体を形成しました。メノナイトとは、指導者メノ・シモンズ師(1496年-1561年)の名前から呼ばれ、彼らは紛争を暴力で解決することに反対し兵役拒否を守る宗派共同体です。

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