イラン

英国の人権団体「Article 18」によれば、イラン裁判所は妊娠中の女性に16年の実刑判決を言い渡しました。女性の名前はナルゲスト・ナシリ姉妹(37歳)で、政府と反対の立場をとる「家の教会」メンバーでした。彼女の逮捕理由は、反政府運動を活発に行なったということでした。裁判所は同じ日に、アッバス・ゾーリ兄弟(48歳)に15年、メーラン・シャムロイ兄弟(37歳)に13年の刑を言い渡しました。テヘランで3人が逮捕された際、当局は聖書はじめ個人的私物(十字架と楽器)も没収しました。どうぞ、3人にためにお祈りください。

シリア

 シリアの人権活動家たちによれば、イスラム教新政権のシリア政府は数百人の少数民族の人々を虐殺したと言います。中東コンサルタントのカマル・シド氏は、特に宗教共同体アラウィー派の人々で、犠牲者の中には女性や子どもも含まれていると言います。現在、シリアで起きている出来事は、どんどん大きくなっています。すでにアラウィー派を中心に約1,500人の犠牲者が出ているとのことです。彼らは新支配者部隊によって39カ所で殺害されました。その内、何人のキリスト教徒が犠牲者の中にいるのかわかりません。毎日、新たな恐怖の報告が届き、すべてのマイノリティが大きな危険にさらされています。しかし、覚えてください。残念ながら彼らの側の支援者がいません。ウクライナにはヨーロッパがある。パレスチナ人には中東イスラム世界がある。しかしマイノリティのアラウィー派、ドルーズ派、キリスト教徒の側に立つ支援者(国)はいるのでしょうか。

聖戦政権の治安部隊

ドイツのキリスト教連帯インターナショナル(CSI)のペーター・フックス牧師は、シリアのキリスト教徒は大きな恐怖の中で生活していると語ります。聖戦政権の治安部隊は、ギリシャ正教のグレゴリー・ビシャラ司祭をバニヤスの港町で殺害しました。さらに少なくとも3人のキリスト教徒が殺害されました。またキリスト教徒の少女たちが国営学校で、女子生徒はスカーフを着用させられ、子どもたちはイスラム教礼拝に参加させられています。検問所では、ジハード主義者たちが、キリスト教徒にイスラム教の信条を暗唱するよう要求しました。シリア人口2,400万人の約4分の3はスンニ派イスラム教徒で、約10%がアラウィ派です。キリスト教徒の割合は推定ですが、2~4%です。お祈りください。

ナイジェリア

ナイジェリアで、カトリック司祭が誘拐され殺害されました。これはカトリック援助団体「チャーチ・イン・ニード」の発表ですが、3月5日カファンチャン教区(カドゥナ州)のシルベスター・オケチュクウ司祭の遺体が発見されました。これまで犯人は不明でしたが、司祭は事件前日夕方に司祭館から連れ出し殺害されたことは判明しました。カファンチャン教区は、オケチュクウ司祭を「献身的な司祭」として表彰し、「神のしもべ」と称えました。彼は平和と和解のために働いていていました。「エイド・トゥ・ザ・チャーチ・イン・ニード」からの情報によると、今年だけで5人の司祭が死亡し、2人の女性修道士が拉致されました。他に4人が解放されました。また2人の司祭は行方不明となっています。犯罪組織は身代金を脅し取るために、身代金を強要しこのような行動をとっています。そこで、宗教や民族間の緊張は高まっています。どうぞ、お祈りください。

コンゴ

M23の反乱軍兵士たち

コンゴ民主共和国東部では、血なまぐさい紛争は続いています。コンゴ連合福音宣教評議会(VEM)は、3月18日監督委員会の宣言文でそれについて記し、同時に祈りの要請を呼びかけています。反政府武装組織「M23」は1月以来、コンゴ東部の大部分を掌握しました。国連によれば、彼らは約4千人のルワンダ兵の支援を受けていますが、ルワンダはこれを否定しています。すでに7,000人以上が殺害され、数十万人が避難しています。VEMは次のように言及しています。反政府勢力「M23」と「近隣諸国からの武装した戦闘員 」は、恐ろしい残虐行為に責任を取らなければならない。また子ども兵士の強制徴用なども、早急に中止すべきで、この地域での戦争終結に向けて努力するよう訴えています。また全世界に向けて緊急援助の要請も訴えています。お祈りください。


米 国

宗教意見調査機関の「Pew リサーチセンター」の調査によれば、アメリカでのクリスチャン数は、過去5間年に62%とやや減少傾向になったことが判明しました。1019年の調査では63%、その前の2014年には70%、2007年には78%でした。紀元2000年に入った時点の調査では90%でした。今回の調査は2023年7月から2024年3月までに、3万6千908人を調査した結果でした。

 

エチオピア

エチオピアは、非識字者数が34%という高い数字を示す国です。人口約1億2千800万人を抱えるこの国は、現在世界で最貧国の一つに数えられています。人間開発指数国家としては、186カ国中第173位です。歴史的には、宗教的インパクトを昔から受けてきた国です。現在、そのような情勢下でイスラム教は伸びています。キリスト教の福音派教会では、青年・児童数が成長しています。そこで主の働き人である伝道者が求められていますが、非常に不足しています。40年前に始まったエチオピア福音主義聖書神学校(ETC)には、伝道者の養成が行われています。どうぞお祈りください。

ETCの卒業生たち

ドイツ

2022年2月24日、ロシア軍がウクライナに侵攻して以来、約130万人のウクライナ人がドイツに逃れて来ました。その中には多くのキリスト教徒も含まれています。避難民たちは精神的な故郷を探し、クリスチャンは同胞の間で福音を伝えたいと願っています。ここに、ヘッセン州ヴェッツラー市にできたウクライナ人教会を紹介します。

ユーリイ・ポプチェンコ師

ユーリイ・ポプチェンコ師(51)は、開戦から8日後に家族とともにドイツに逃れて来ました。ポプチェンコ師はウクライナでは、聖書翻訳者として、またフリーの伝道師として働いていました。彼は4人の男子の父親で、流暢な英語を話しますが、はじめはドイツ語は話せませんでした。そこで彼はヘッセン州にあるロシア系ドイツ人教会と連絡を取りました。彼らも礼拝内容をロシア語に訳さなければならず、似たような状況に置かれていました。ポプチェンコ師家族はギーセン近郊のポールハイムに住んでいます。そこで、母国語での礼拝を切望するウクライナ人と知り合いました。その中にウクライナのバプテスト派の牧師、ヴォロディミール・クドニー師(50)がいました。そこで二人はウクライナ難民のための新しい教会を設立するよう導かれました。ヴェッツラーという場所は、ポールハイムとヴァイルブルクのほぼ中央に位置し便利です。現地教会の理解と協力を受けて、彼らはウクライナ語での礼拝開始へ導かれました。公共放送などを通しウクライナ語礼拝開始をアナウンスしたところ、最初の礼拝には50人も集まりました。そして礼拝のたびに出席人数は増加し、クリスマスには会堂がいっぱいとなりました。集まったクリスチャンの中には、このように母国語での礼拝が開かれるよう祈っていた人々もいました。

それ以来、ウクライナのクリスチャンたちは毎週日曜日の午後3時に集まっています。並行して子ども礼拝も開かれ、礼拝後には青年会も開かれています。彼らは教会で、母国の人々と再会とし楽しんでいます。交わりの際には、茶菓も出され、ウクライナでまだ残酷な戦争が続いていることを数時間忘れることができます。創立者の二人は現在、ドイツ福音自由教会連盟(BFCC)と協議を進め法的形態について協議中です。教会には新しい人々が来ています。現在、ドイツ各地でウクライナ人避難民たちは自分たちの言語で集い、礼拝できる教会を建て始めています。どうぞ、お祈りください。

ウクライナ人教会

 

ライプツィヒにおいて、今年3月27日から30日まで「ブックフェア」が再び開幕されました。世界でよく知られたメッセ(見本市)は、本を愛する人々の楽園です。昨年は約28万3千人が来場しました。本への憧れと本の魅力は健在です。作家タバサビュネ女史は、「良い本がなければ私たちは生きていけない。」と語り、次のように述べました。

 良い本には大きな力があり、失われたと思う一日を救ったり、人生全体を変えたりします。聖アウグスティヌスのような偉大な頭脳の持ち主だけが、それを経験してきたわけではありません。タバサビュネ女史は、彼のような偉大な知性だけでなく、自分のような小さな者にも光が与えられた、と述べています。彼女は次のように証しています。「私は書店員の娘として、本の合間で多くの時間を過ごすことを許されました。私の父は才能あるストーリーテラーで、父が伝記や小説や聖書を読み聞かせてくれるとき、私は他の世界のことを忘れていました。私を別世界に連れて行ってくれ、同時に深い真理と価値観を与えてくれました。文学者C.ルイスは『ナルニア国物語』で、私の心をイエスに開いてくれました。

タバサビュネ女史

 十代の頃には、私はアーネスト・ヘミングウェイの『老人と海』を何度も読みあさり持久力と闘志を養いました。学生時代に読んだドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』は、私の心をイエスに開いてくれ、私の信仰を飛躍させてくれました。振り返れば、本はしばしば最高の助言者であり、砥石であり、励まし手でした。ジョージ・オーウェルの『動物農場』は、私の良心と正義感を目覚めさせてくれました。ヴィクトル・ユーゴーの『The Wretched』では、私はミリエル司教の人物に偉大な模範を見出しました。彼は私に勇気を与え、神と人々を愛し、そして人々を信じ信頼を決して失わないようにと、他でもない私を動かしてくれました。私は人々を愛し、善を信じる心を失わないように教えられました。作家タバサビュネ女史は、このように力説しています。

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