米国在住邦人宣教(2)

リーベンゼラ世界宣教会


在米邦人宣教師 笹川 雅弘

子ども伝道の大切さ

駐在員家族にとって、子どもの教育は大きな関心事です。アメリカ滞在中にアメリカならではの体験をさせたい(また自分たちもしたい)、という両親の願いに応えることのできる教会のイベントは人気です。プロの黒人ミュージシャンが指導するゴスペルワークショップだけでなく、子どもたち対象の夏のバイブルキャンプ、クリスマスに行われる親子クリスマス礼拝などには、たくさんの親子連れが足を運びます。子どものころに聖書の話を聞き讃美歌を歌った体験が、大人になってから教会へ導かれるきっかけとなる例は日本でもめずらしくありません。少子高齢化が進む日本の教会に、新しい世代が長期的に加わっていくためにも、NYで毎年たくさんの子どもたちに福音と賛美音楽に親しむ体験をしてもらい、日本へ送り出すという活動は大変意義深いものだと信じています。

親子クリスマス会

帰国後の教会離れが起きないために

せっかくアメリカの教会で受洗しても日本へ帰国してから日本の教会につながらないというケースが起きないための取り組みも行ってきました。決心者に対する受洗準備クラス、アフター・バプテスマ・クラスに加え、帰国が近い方のための帰国後教会生活準備クラスも個別に行いました。また、帰国準備が整い最後の主日礼拝となる教会員には、「送別会」ではなく「派遣式」を執り行い、祈りとともに送り出します。新しい任地で、主に仕える者としての使命を果たしていく、という自覚を深めていただくために。また、帰国後も近隣の教会でお勧めできる福音的な教会を紹介しつつ、教会生活に関していつでも相談に乗れる体制を提供しています。

異文化理解の一助としての伝道

英語やアメリカ文化を学ぶ必要を感じている駐在員の奥様を対象に行う、「英語で学ぶバイブルクラス」も人気でした。有名で興味深い聖書箇所から英語特有の慣用表現などを学び、さらに福音の核心まで触れていきます。クラス終了後はNYで生活する者ならではの苦労話や、生活のヒントを分かち合うひと時で盛り上がりました。

アメリカならではの危険も

 一方、アメリカならではの危険も体験しました。それは、日本人女性に対し異常な性的執着を抱くアメリカ人の存在です。ある時から日本語を片言話すアメリカ人が、熱心にNYめぐみ教会の礼拝に参加するようになり、奉仕も積極的に手伝ってくれるので皆喜んでいたのですが、ある日教会のグループラインでその本性を現し、暴言と脅迫の投稿が止まらなくなり、一同恐怖に震えるという事件が起きました。アメリカ人牧師のアドバイスで地域警察に迅速に介入してもらい、今後教会の敷地内に立ち入るならば通報され逮捕されるという警告が出されました。彼はその後、他地域の無牧となった日本人集会へも入り込もうとしましたが、この一件がシェアされていたので事なきを得ました。アメリカ生活が長い永住者によると、この手のアメリカ人異常者は決して珍しくはないとのこと。誰もが銃を携帯し得ることともあわせ、アメリカ社会で暮らすことのリスクと、万一の場合の対応を考えておくことの重要性を、改めて実感させられた出来事でした。

日本人宣教師の働きに立ちはだかる困難

やがて帰国する多くの求道者に、福音の種を蒔く邦人宣教活動の意義は計り知れません。一方、アメリカならではの危険、とどまるところを知らないインフレ、日本との物価水準の乖離、さらに最近はグリーンカードをはじめとする長期滞在のためのビザ取得が、非常に困難になるという壁が立ちはだかるようになりました。私自身も宗教活活動家ビザ(R-1)で渡米後米国永住権を申請したものの、R-1ビザが失効する時期になっても、なお審査が始まるまで何年もかかるという、異常事態のため帰国を余儀なくされました。

それでも継続されていく邦人宣教

しかし、私が牧会していたNYめぐみ教会のメンバーたちは日本人牧師不在となった今も、現地のアメリカ人教会の協力を得てゴスペル・ミニストリーをこれまでどおりの規模で継続しています。週に一度のオンラインバイブルスタディ、家庭集会なども信徒リーダーが立って継続されています。かつて初代教会時代に、使徒たちが行った宣教活動は信徒たちによって引き継がれ、それがその後の世界宣教の礎となりました。聖霊の働きは牧師・信徒という立場を超え世界規模で宣教協力活動を支え続けます。無牧の群れが多くなったNYの日本人教会ですが、時代を超えて継続されていく、その主のみわざのために、今後も日本から関わらせていただきたいと願っています。

(つづく)


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