豪州在住邦人宣教
ポストコロナ 2
クローズネスト日本人キリスト教会
牧師 吹留弘充
イングリッシュ・ミニストリー(EM)
パンデミックは一つ所に集まる群れにとっては、災いでしかないと思っていましたが、祈りを通して与えられたミニストリーへの思いを、熟成させてもらう期間ともなりました。日曜学校卒業者が教会に留まり続け、奉仕者と変えられていく姿は、周りの地域教会では普通のことでも、日本語教会における英語が第一言語の若者たちにとっては、特別のことでした。ポストコロナでEMが少人数で始まり、次第に増えていき、今では礼拝の場所を移らなければならない程の人数になっています。日曜学校卒業者が、同じ日曜学校の先生となり、EM礼拝でも日本語礼拝でも奉仕してくれます。来年はハイスクールの子どもたちの人数も多く、いずれEMに参加することを熱望しています。主は次の世代への恵みと、信仰の継承を望んでおられるのを実感しています。

練られる平安
主の祝福による教会の成長を喜び踊りたくなる一方で、私たちが傲慢にならないよう、主はその信仰を試し練られます。私たちの教会はシドニー市街から車で北へ10分ほどの所にあり、比較的日本人が多く住んでいるクローズネストという地域にあります。築百年以上の教会堂を持つ歴史ある教会を貸して頂き、日本人教会が始まって約35年になります。サポートを受けつつ、この地域教会と私たちは素晴らしい信頼関係を築いてきたはずでした。しかし最近になってこの教会が同性愛を罪とせず、LGBTQの人々をそのままで受け入れていく立場に立つようになりました。私たちの信仰とは違うので、彼らと話し合い、今教会の移転を含めて祈っているところです。
移民が多く、多様性に寛容な国であるオーストラリア、ニュージーランドは、同性婚を認める世界38か国の中の2か国です。多様性という世の流れは、ウイルスのように、キリスト教界にも押し寄せて、教団や教会の中に分断を生み、キリスト者たちにパンデミック時のような試みを与えています。キリストの愛とは、罪をそのまま受け入れることではなく、罪の悔い改めを祈り願っていくことです。罪人の救いを遮断することではなく、罪人の救いのために真実をお伝えすることです。私たちは自分の願望に合わせて聖書を解釈するのか、聖書のみことばを真理として、そのまま受け取り、従うのかが問われています。人間は「天地が滅びても、決して滅びることのない神様のみことば」に従わなければなりません。
LGBTQのことで教団を超えて何人かの牧師たちと話すと、語る言葉を失う程の驚くべき聖書解釈を披露する人、顔色を変えて話題まで変える人、そんな細かいことを気にするなと言う人、堅くみことばの上に立ちたいと信仰を共にする人など様々です。いつも私たちの信仰は揉まれ、平安は試されます。また、日本に帰った兄弟姉妹が何年かぶりに私たちの教会を訪れると、「ああ~、実家に帰ってきたようだ」と言ってくれます。だからなじみ深く、平安を与えてくれたこの教会に留まるのか、信仰が一致する場所に移動し、そこに平安を求めるのか、真理のために戦い、嵐の中にあっても、そこにキリストにある真の平安を頂くのか、主は私たちにチャレンジを与え、揺るがない平安になるよう練り上げてくださいます。どうぞ、私たちが小さなことにも主に忠実に歩めるようにお祈りください。
オセアニア宣教のビジョン
毎年行われる教会キャンプでは、日常生活を離れ、普段あまり交わってない人とも打ち解けて話すことができます。そして何より主なる神様に心探られ、主が何を望んでおられるかを発見し、主のビジョンを頂く時となっています。キャンプ・ファイヤーを囲んだり、寝る時間を惜しんで夜遅くまで信仰について、また人生について語り合い、祈り合う姿に感動を覚えます。青年部の中に、日本に帰っても、この教会キャンプに帰って来たいと言う人々がいます。それは私たちの大きな励ましです。それぞれが主に語られ、主のビジョンを頂いています。私たちは主に仕え、教会に仕える中で、個人的なビジョンを示され、教会のビジョンを与えられ、オセアニア宣教のビジョンも頂きます。オセアニアに関心のある日本人が多いことは周知の事実ですが、オセアニアには、宣教に目が開かれ、宣教に燃えているリーダーたちも多いのです。主は一人として滅びることを望んでおられません。ですから、この終わりの時、隔ての壁を打ち破り一つになって、一人でも多くの人の救いを達成するために、大胆に、真理のみことばを、混ぜ物をすることなく真っすぐ語っていきたいと、切に願っています。
(つづく)

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