ドイツ
キリスト教出版社「IDEA社」とゲストセンター「シェーンブリック」は、昨年11月第8回宣教会議を開きました。テーマは、「今日のキリスト教徒への迫害」でした。焦点となったのは、迫害を受けている信仰の兄弟姉妹たちの状況でした。次はIDEA社ダニエラ・シュテッター代表と、同社の編集者エリカ・ギット氏による概要です。
現代技術は、迫害が起こっている国において、宣教活動の面ではうまく活用されています。例えば「アル・ハヤート・テレビ」は、AIベースのチャット・プラットフォームを開発し、普段キリストの福音を入手し難い国々において、彼らの母国語でキリスト信仰について質問できるようにしました。2025年には約20万件もの問い合わせがあり、その大半はイランからであったと創設者ハルン・イブラヒム氏は報告しました。アフガニスタンのように、キリストの福音から遠い国々にも、AI技術が用いられています。

エイドリアン・ゼンツ氏
2025年1月から9月までの間に、合計8,800万件以上の視聴者からのインタラクション(問い合わせ)がありました。しかし、人類学者で中国専門家のエイドリアン・ゼンツ氏は、人工知能(AI)の悪用の可能性を過小評価してはいけないと警告を発しました。中国はすでに、キリスト教徒やその他の少数派の民族への迫害に、AIを意図的に使用しています。教会内ではカメラが顔認識によって訪問者を監視し、データを分析して当局に送信しています。チャットもリアルタイムで読み取られ、ブロックされることも起こっています。AIはまた、多量の情報が提供されるため、キリスト教徒の集会場所についての予測を可能にします。これにより監視はより静かに、より速く、より隙のないものとなっています。最終的には、共産主義イデオロギーに順応的な国家形成に役立つものとなっています。
多くの国では、キリスト教徒は迫害があるにもかかわらず、他の人々を助けようとしています。例えば、ウクライナのロシア占領地域においてです。援助団体「ヘルピング・ハンズ」の責任者イワン・ストゥケルト牧師は、次のように報告しました。公安当局は福音派である自由教会の信者は西側と結びつきがあるとみなし、「イデオロギー上の敵」と置いています。現在までに、少なくて500以上の教会が意図的に破壊されました。迫害にもかかわらず、多く
のキリスト教徒は命の危険を冒して医薬品や食料を占領地域に運び込み、そこから人々を避難させています。ロシア軍はそのようなキリスト教徒を拘束し、拷問と虐待を与え、中には死亡した人もいます。
宣教団体「光を東方へ」のパートナーで、パヴェル・ダヴィジュク牧師(キエフ)も、同様の報告をしました。ロシアは40人から60人の聖職者を殺害し、他の者を公開処刑を実行しました。殺害目的は、彼らが武器を密輸したか、あるいは米国のスパイであることを自白させるためでした。ダヴィジュク牧師は、これら殉教したキリスト者を「英雄」と呼んでいます。あるキリスト者は紛争地域や占領地域において、自発的に留まり続けています。彼らは「戦争は信仰的に見て、ウクライナに多大な影響を与えた。多くのキリスト者が、信仰をより真剣に考えるようになった。キリスト教会は、住民に仕える救援物資の重要な配布センターとなった。そこで人々はイエス・キリストについて聞き、多くの人が心を開いている」、と語りました。
他にインド、パキスタン、アフガニスタン、スーダン、中国からも生々しい報告がありました。これらの迫害下にある国々の共通点は、苦難にあってもキリストの福音が宣べ伝えられ、キリストの教会は生きているということです。どうぞ、迫害下にある国々の教会と聖徒たちを覚えて、お祈りください。
現在、ドイツ全土には約20万人の中国人が住んでいますが、そのうち約3,000人から4,000人のクリスチャンがいると言われています。カトリック教やペンテコステ派は、独立して組織されています。他の人々は福音派で、ネットワークを持っています。ベルリン、ハンブルク、ハイデルベルク、ゲッティンゲン、ハノーファー等の都市に住んでいます。ハンブルクの「中国人キリスト教会」には、約90人の会員と約120人の礼拝参加者が集まっています。今、中国人を支援する「フォーラム」も開かれ、言語や文化的な違いを超えて支援と協力体制ができています。
ドイツ国内の「メッセ」(国際見本市)では、自動車展示会はじめ各種のイベントが開催されています。会場にいる好奇心旺盛な来場者に、中国人クリスチャンたちは聖書と伝道文書を配布したりしています。時にはドイツ人クリスチャンも支援を行っています。「ドイツ在住中国人への宣教フォーラム」(FMC:代表イェンス・ペーター・ルックス師)は、ハノーバーに拠点を置き、ドイツ全土に広がる多くの中国語の聖書研究会と教会に協力しています。彼らの活動は、文書の提供からセミナーや集会の開催、中国人教会との連絡仲介まで多岐にわたります。
FMCの中心的な活動分野は、中国人留学生のケアです。彼らの多くはドイツで初めてキリスト信仰に触れています。ドイツ人男性と結婚した中国人女性も含まれます。彼らの多くが孤独を感じており、中国人コミュニティやドイツ人コミュニティとの接点に感謝しています。フォーラムのウェブサイトでは、ドイツ国内の中国人教会の概要を提供しています。第一世代は、1970年代にベトナム戦争中にベトナムからドイツに逃れてきた中国系難民です。さらに、この時期には台湾や香港からの学生やビジネスマンもすでに存在していました。1980年代以降、中国からますます多くの学生や学者がドイツへ来るようになりました。そして近年では、中国人の定住者数が増えていると思われます。
今後、FMCはこの状態を考慮し中国語でのキリスト教会のために、ネットワークの成果を着実に上げようとしています。2024年には、25人の中国人宣教師がバート・ブランケンブルクに集まりました。「同じ場所で1896年に撮影された写真があり、そこには中国宣教師のハドソン・テイラー師が当時の福音同盟の指導者たちの中にいます。」とFMCルクス代表は語ります。彼は中国人の間での宣教の働きが、このように発展してきたことを喜び感謝しています。

ハンブルクにある中国人教会での礼拝
イスラエル
2023年10月以来初めて、イスラエル政府は世界各地のキリスト教系ジャーナリストをエルサレムに再び招待しました。11月2日から6日まで行われたセミナーには、主に福音派のメディア関係者100人以上が参加しました。米国、ドイツをはじめ世界各地から、ジャーナリストたちが集まりました。エルサレムの「寛容の博物館」で開かれた開会式において、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ジャーナリストたちに挨拶する際、カメラに向かって真剣な表情で語りました。2022年の前回の「クリスチャン・メディア・サミット」と同様、今回も彼はビデオ参加でした。約50秒足らずの短いスピーチでしたが、淡々とした口調で、メディア関係者たちの尽力に感謝し、キリスト教徒がイスラエルにとっていかに重要であるかを強調しました。そして、イスラエルは中東で唯一、キリスト教徒が信仰を自由に実践できる場所であると強調しました。ネタニヤフ首相は、「イスラエルとイスラム教テロ組織ハマスに対との戦いは、西洋のユダヤ教およびキリスト教的価値観を守るための戦いである。」と述べました。イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領も挨拶の中で、同様の発言をしました。彼は又、現在イスラエルについて拡散するフェイクニュース(嘘)を非難しました。具体的にどの嘘かについては、言及しませんでした。

イスラエル・セミナー参加者
シリア
シリアではこれまでキリスト教徒は国家による迫害の対象にはなっていませんでした。しかし、この自由は短命に終わるかもしれません。これはドイツで開催された国際会議「今日のキリスト教徒への迫害」において、シリア人牧師マシー(仮名)は懸念を表明をしました。彼は2024年12月8日のアサド政権崩壊時は、喜びの日であったと強調しました。それは50年にわたる抑圧と流血が、これで終わり自由への希望が湧いた瞬間でした。
しかし、マシー牧師は「現在の状況は緊迫している」と語っています。彼はいくつかの良い動きについても報告しました。例えば、新教会堂の建築許可がでたりしていますが、状況は変わるだろうと予想されます。各地において挑発や脅迫が、すでに頻繁に起きています。教会の壁には「十字架を信じる者よ、君たちの番がくる」といった文言が繰り返し書かれています。シリヤ新指導部体制は、落ち着いているように見えますが、彼らのイスラム主義的な信念は今や明白です。マシー牧師は、シリア国がイスラム教過激主義に陥ることを恐れていると述べています。同時に彼は、迫害はキリスト教徒にとって通常の状態であると強調しました。彼はすべての祈りに感謝し、自分たちは置かれた時代の試練において、大きな力となっていると述べました。彼によれば、シリアのキリスト教徒数は2011年の210万人から54万人に減少しました。どうぞ、お祈りください。
ナイジェリア

アリ・ブバ・ラミド大司教
ナイジェリアのアリ・ブバ・ラミド大司教は、米国がナイジェリアを「特に懸念される国」と指定したことを歓迎しました。彼は、ナイジェリアで起こっているキリスト教徒迫害への関心が、世界的に高まりキリスト教徒の状態が改善されることを期待しています。ラミド大司教は英国国教会聖職者で、ドイツで開催された宣教会議で発言しました。彼はフラニ族出身の元イスラム教徒で、イスラム教過激派組織によるキリスト教徒犠牲者の膨大な人数と、それに対するナイジェリア政府の取り組みの欠如を嘆いています。キリスト教徒とイスラム教徒間の緊張は、1980年代から高まっています。教育、政治、労働市場において、キリスト教徒に対する明確な差別が生じていると言います。
ラミド大司教は政府と情報機関に対し、非難の言葉を述べました。彼らはしばしば何もせず、イスラム主義者に有利な妥協をしていると言います。また、問題を軽く見せるために、犠牲者の数が実際よりもはるかに少なく報告することが繰り返されていると語りました。ラミド大司教自身も、襲撃や誘拐未遂を経験し、長年にわたり深刻な危険にさらされたと言います。そして、最終的には外圧力によって、彼は米国に移住せざるを得なくなったと言います。どうぞ、お祈りください。
パキスタン
ザファル・バティ牧師は釈放されて3日後に、心臓停止で死亡しました。これは彼の弁護士であるサイフ・ウル・マルク氏によって確認されました。「イエス・ワールド・ミッション教会」の創設者であるバティ牧師(62歳)は、冒涜罪の容疑で13年間投獄されていましました。イスラム教聖職者から、預言者ムハンマドの母を侮辱したとして告発されていました。2017年、バティ牧師は終身刑を宣告され、2022年には死刑判決を受けました。2025年10月初旬、ラホール最高裁判所は判決を覆しました。報道によれば、バティ牧師は糖尿病と心臓病を患っていましたが、獄中で拷問を受けていました。2014年、国際人権協会(ISHR)とIDEA社は彼を「今月の囚人」に選んでいました。パキスタン人口の96%はイスラム教徒、2%はキリスト教徒、1%はヒンズー教徒です。パキスタンのために、どうぞお祈りください。
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