シリア
シリアの独裁者バッシャール・アル・アサド政権が打倒されてから約7か月、脅威にさらされた人々のための協会(STP)は、新たなイスラム主義政権への対応において、軽率な対応をすべきではないと警告した。プレスリリースによると、STPの中東専門家カマル・シド氏は、もともと多宗教国家であったシリアにおいて、少数派はもはや自分たちの未来を見出せないと説明しています。4月、シド氏は当局の許可なくシリアのほぼ全ての州を視察し、秘密裏に行われた協議の中で、少数派代表者から弾圧の強化について報告を受けました。「新政権はシリアにおける宗教的・民族的多様性を段階的に破壊し、厳格なイスラム主義政権を樹立しようとする」、その兆候を数多く目にしたとシド氏は述べています。民族的・宗教的少数派に対する暴力は激化しています。
クルド人とドゥルーズ派の地域を除き、シリアは事実上トルコの支配下にあります。アフリンやイドリブなどの地域では、支払いはトルコリラまたはドルで行われています。街の景観にはトルコ国旗が掲げられ、クルド人の墓地は破壊されています。シド氏によると、ドゥルーズ派とクルド人は現状を踏まえ、シリアに連邦制を樹立するよう要求しています。STPは、ドイツの政策立案者とこれを支持すべきだと語っています。

自爆テロがあった聖エリヤ教会
6月22日、ギリシャ正教会の聖エリヤ教会での礼拝中に、犯人が銃を乱射し、その後自爆しました。教会指導者はじめ、政治家、人権活動家たちは、シリアの首都ダマスカスにある教会への攻撃を強く非難しました。政府発表によれば、少なくとも22人が死亡、50人以上が負傷しました。当局の発表では、負傷者数は今後増えるかも知れないと語っています。シリア内務省によると、犯人はテロ組織「イスラム国」(IS)のメンバーとみられます。ハムザ・モスタファ情報相は、この攻撃を非難しました。彼は「X」プラットフォーム上で、「この卑劣な行為は、私たち市民の価値観に反するものである」と述べました。彼は、政府が「市民の信仰の価値観」を決して撤回することはないと確約しました。
パキスタン

アディル・ババール兄
ニュースサイト「モーニングスター・ニュース」の報道によれば、パキスタンのラホールの裁判所は7月8日、冒涜罪で起訴されたキリスト教徒の10代の若者2人を無罪としました。警察は2023年5月にアディル・ババール兄(20歳)とサイモン・ナディーム兄(16歳)を逮捕しました。当初、2人は預言者ムハンマドへの不敬罪(死刑相当)で起訴されましたが、その後の容疑は「宗教感情を傷つけた」に減刑されました。この罪状の最高刑は10年の懲役刑です。2人の弁護士ナシーブ・アンジュム氏は、隣人が当時14歳と18歳であった2人を虚偽告発をしたと述べました。警察は証拠不十分にもかかわらず2人を逮捕しましたが、後に保釈しました。裁判所は今回、2人の容疑を不当と判断しました。2人の家族は脅迫を受け、転居を余儀なくされました。国際人権協会(ISHR)とIDEA社は、2024年7月にサイモン・ナディーム氏を「今月の囚人」に選び、人々に彼を支援するよう呼びかけていました。パキスタンでは冒涜罪の告発が頻繁に発生しています。キリスト教徒などの宗教的少数派は、個人的な対立や恨みから、不釣り合いなほど頻繁に告発されています。ラホールの社会正義センター(CSJ)によると、1987年以降、パキスタンでは約2,500人が冒涜罪で起訴され、そのうち291人はキリスト教徒です。パキスタン人口は2億4600万人以上で、イスラム教徒は96パーセント、キリスト教徒は2パーセント、ヒンズー教徒は1パーセントです。どうぞお祈りください。
国際人権協会(ISHR)とキリスト教出版社IDEAは、ラホール(パンジャブ州)出身のパキスタン人キリスト教徒、アミール・ポール氏を「2025年8月の月間囚人」に選びました。7月19日、60歳の公務員であるポール氏は、冒涜罪で警察に拘束されました。ポール氏はニシャット・コロニー地区の店で買い物をしていた際に、店主はポール氏を「アメリカと西洋の代理人」と非難しました。そして、地元のイマーム(イスラム教指導者)に通報し、会話中にイスラム教預言者ムハンマドを侮辱する発言をしたと主張しました。カトリック司祭ヘンリー・ポール氏の兄弟であるポール氏は、宗教問題について発言したことはないとして、この容疑を否定しています。現場でインタビューを受けた目撃者たちも、ポール氏の供述を裏付けています。パキスタンの人権弁護士アニーカ・アンソニー氏によると、この事件は冒涜法の継続的な濫用と、虚偽の告発を防ぐための法改正の緊急性を浮き彫りにしていると語っています。どうぞ、お祈りください。
アフガニスタン
2021年8月15日、アメリカ軍の撤退によってタリバンが権力を回復し、首都カブールを制圧しました。政治体制はイスラム首長国で、今のところロシアを除いてタリバン政権を承認している国はありません。人口は約4千150万人で、うち43パーセントが14歳未満の子どもです。人口の約64パーセントが貧困状態にあり、1千400万人が深刻な飢餓に苦しんでいます。そして、国民の約2千300万人が人道支援に依存しています。そのうち約1千200万人以上の子どもが支援を必要としています。国際宣教団体「オープン・ドアーズ」のワールド・ウォッチ・リストでは、第10位に位置しています。主要宗教はイスラム教で、クリスチャンは数千人と言われています。そのような状況下で、現在活動しているキリスト教系援助団体は、じつにごくわずかです。ある人(安全上の理由から、氏名と出身国は公表できません。)は、現地での援助活動家を語っています。彼はクリスチャンで、首都カブールに留まり、タリバンと交渉しつつ、暴力と飢餓の真っ只中でイエス・キリストの愛を具体的な形で伝えています。どうぞ、祈り覚えてください。

タリバン兵士監視の下で、救援物資を待つ女性たち
米 国
米国テキサス州で発生した鉄砲水によって、キリスト教サマー・キャンプ場「キャンプ・ミスティック」が壊滅的な被害を受けました。7月4日夜の集中豪雨が原因となり、グアダルーペ川が急増水しました。キャンプ参加者とカウンセラー、少なくとも27人が死亡しました。場所によっては、水位が8メートルを超えた所もありました。当局によると、キャンプ参加者5人とカウンセラー1人が依然として行方不明となっています。この洪水による死者は計100人以上に上り、少なくとも170人がまだ行方不明となっています。キャンプ・ミスティックは1926年に設立され、キリスト教徒だけでなく広く開放されていました。キャンプ場はテキサス州の上流階級の女子たちの憩いの場ともなっていたと言われています。

ケンタッキー州のリッチモンド・バプテスト教会
アメリカ合衆国ケンタッキー州レキシントンのバプテスト教会で、銃を持った男が女性2人を殺害しました。容疑者は警察に射殺されました。報道によると、容疑者と教会員の間に何らかの繋がりがあった可能性があるとのことです。これは、生存者のスター・ラザフォード氏が地元紙「ヘラルド・リーダー」に語った証言です。彼女の母親のベバリー・ガムさん(72)と妹のクリスティーナ・コームズさん(32)は、今回の事件で犠牲者となりました。ラザフォード氏によると、7月13日、バプテスト教会の地下室で母親と料理をしていたところ、突然男が現れました。男は「ラザフォード姉妹はいるか」と尋ねましたが、スター・ラザフォード氏ここにはいないと答えました。目撃者によると、男は「今日誰かが死ななければならない」と告げて発砲し、母親を殺害しました。その後、妹のクリスティーナさんも射殺しました。殺害された女性の夫であるジェリー・ガム師と、ランディ・コームズさんも負傷しました。ジェリー・ガム師は当教会の牧師でした。
オクラホマ州ボレイの男性刑務所で行われた伝道集会で、約400人の受刑者がイエス・キリスト教を信じる決心をしました。プラットフォーム「クロスウォーク」によれば、その内41人が洗礼を受けました。この集会の発起人は、巨大教会ビクトリー・クリスチャン・センターのポール・ドーハティ牧師でした。この伝道集会は、ケビン・スティット州知事(共和党)と政府高官ブライアン・ボベック氏とのつながりによって実現しました。ボベック氏はドーハティ師の教会員で、牧師に刑務所内で伝道活動を始めるよう勧めました。8820人の受刑者のうち700人以上が参加したこの集会は、この取り組みの始まりとなりました。ボランティアたちは聖書700冊と、信仰に基づく学習書1千300冊を寄贈しました。

41人が洗礼を受けた
ブラジル
ブラジルでは、人口に占めるプロテスタントの割合が過去最高を記録しています。これは最新の政府データによるものです。約2億300万人の住民のうち、26、9パーセントがプロテスタントです。無宗教者の割合は9.3パーセントで、これも過去最高を記録しました。カトリック教徒は56、7パーセントと、依然として全人口グループで大多数を占めています。特に白人では、カトリック教徒の割合が60、2パーセントと高くなっています。先住民の3分の1(32.2%)はプロテスタントです。 宗教情勢の変化は政治的影響を及ぼす可能性があります。 最近の調査によれば、カトリック教徒の約45パーセントが左派のルラ・ダ・シルバ大統領を支持しています。しかし、プロテスタント教徒でこの運動を支持するのはわずか30パーセントです。最大のプロテスタント宗派は、ペンテコステ派です。どうぞお祈りください。
ドイツ
欧州の文化首都の一環として、8月30日から31日にかけて、ケムニッツ市で大規模なエキュメニカル教会文化祭が開催されました。主催者は、この地域のキリスト教徒によるエキュメニカル団体「カルチャー・チャーチ2025」です。ケムニッツ市中心部は「信仰、創造性、芸術、音楽、そしてコミュニティと出会いが息づく、活気あふれる場所」へと変貌を遂げたと、主催者カルチャー・チャーチは発表しました。多彩なプログラムが予定されています。歩行者天国には、約60の屋台が並び「チャーチ・マイル」(教会街)が設置されました。この祭典の聖書モットーは「行って見よ!」でイエスがパンと魚を増やした物語(マルコ6:38)に由来しています。8月30日には、このテーマで聖書研究会が開かれました。また討論フォーラムでは、世俗化する社会での教会の将来、平和倫理、教会部門におけるデジタル化といったテーマ等が取り上げられました。

ケムニッツ市合同聖歌隊
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