パキスタン

シャグフタ・キラン姉妹

国際人権協会(IGFM)とキリスト教出版社IDEAは、3月の「囚われ人」をパキスタンのクリスチャン女性シャグフタ・キラン姉妹としました。彼女は4人の子どもの母親ですが、死刑判決を受けました。2021年7月29日、最高司令部サイバー犯罪課の治安部隊は、パキスタン人女性シャグフタ・キラン姉妹をイスラム教指導者モハメットを冒涜した理由で逮捕しました。彼女は2020年9月、SNSのWhatsAppを用いて、預言者モハメッドへの冒涜を共有したとされています。彼女の夫と10歳と12歳の息子たちも、共犯者として一時拘留されましたが、その後釈放されました。一家は今もリンチの危険にさらされているそうです。彼女は現在、ラワルピンディ(パンジャブ州)の中央刑務所にいます。7年の実刑判決後に、執行される死刑判決を言い渡されました。弁護側はこの判決を不服として控訴しました。パキスタンでは、いつも預言者モハメットへの冒涜という告発が起こっています。パキスタン人口は2億4千600万人で、96.3%がイスラム教徒でキリスト教徒は1.9%と言われます。どうぞお祈りください。

ナイジェリア

モーニング・スター・ニュースの報道では、ナイジェリア中央部に位置するプラトー州で、フラニ族の牧畜民が120人以上のキリスト教徒を殺害しました。最近の攻撃は4月14日、バザ地区ツィッケ村で発生しました。メディア報道によれば、この襲撃で51人が死亡しました。アムネスティ・インターナショナルは、ナイジェリア政府に対し、プラトーでの殺害を止めるよう求めました。彼らの調査によれば、2023年12月から翌年2月までの間、同州での攻撃で少なくとも1千336人が死亡しました。イスラム教徒が多数を占めるフラニ族の牧畜民は、過激なイスラム主義イデオロギーの信奉者でもあります。 ナイジェリアの人口は約2億3千700万人を超えますが、約半数がキリスト教徒とイスラム教徒です。

インド

インドでは昨年、クリスチャンに対する攻撃件数がさらに増加しました。インド福音同盟(IEA)の報告書によれば、640件の事件が記録され、これは前年より339件多くなりました。IEAにはさらに200件が報告されましたが、警察には報告されませんでした。ここ10年間の比較でみれば、登録された攻撃だけでも4倍以上に増加しています(2014年は147件)。暴力的な攻撃が最も多かったのはウッタルプラデシュ州(188件)でした。そのほとんどは、脅迫と嫌がらせ(255件)、逮捕(129件)、物理的な暴力(76件)でした。人口約14億人のうち、72%がヒンズー教徒、イスラム教徒は14%、キリスト教徒は4%と言われます。どうぞインドのためにお祈りください。

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今から25年前、インドでオーストラリア人宣教師グラハム・ステインズ師とその幼い息子2人が焼き殺されました。このニュースは、世界各地において多数の人々が非常な痛みを覚えました。犯人たちはヒンズー教過激主義者で、その後逮捕され終身刑を宣告されて刑務所に入っていました。しかし4月16日、その内の一人が釈放されましたが英雄として迎えられました。彼の名前はマヘンドラ・ヘムブラム氏で、オリッサ州刑罰審査委員会によって「模範的行動」を理由に釈放され、ケオンジャール刑務所から釈放されました。ヘムブラム氏は支持者たちから花束を贈られ、ヒンズー教のスローガン「ジャイ・シュリ・ラム(ラーマ神万歳)」を唱えながら刑務所から出てきました。その光景を見たカトリック教司祭で人権活動家でもあるアジャイ・シン師は、「ヘムブラム氏が花束で迎えられ、ヒンズー教のスローガンを叫ぶ群衆によって祝賀行列に連れ出された様子は、社会の平和と平穏を信じる者にとって衝撃的な光景だった」と、語りました。またユナイテッド・クリスチャン・フォーラムの広報担当者、ジョン・ダヤル氏も同様に衝撃を受け、次のように語っています。「釈放された受刑者に対する卑劣な歓迎は、実際に見なければ信じ難いものであり、釈放の政治的意図を完全に露呈している」

ヘムブラム氏を刑務所から出迎える人たち

 世界に衝撃を与えたこの犯罪事件は、当時58歳だったステインズ師と、息子のフィリップ(10歳)、ティモシー(6歳)は、ケオンジャール県マノハルプール村の教会の外でステーションワゴン車内で寝ているところを襲撃され、灯油をかけられ焼死しました。ステインズ宣教師は1965年にインドに渡って以来、バリパダでハンセン氏病患者のために活動していました。当時通り調べた元警察官によれば、ヒンズー教徒の暴徒たちは、ステインズ師がヒンズー教徒をキリスト教に改宗させようとしていたため、攻撃を受けたと語っています。

当時のK・R・ナラヤナン大統領は、これらの殺人事件を「世界の悪行の記録」の一つと呼び、非難しました。このように過激派グループは現在も活動しています。私たちは悲惨な事件が再度起こらないことを祈ります。

性的マイノリティー

 世界各地で話題となっている「性的マイノリティー」は、欧州でも大きな問題です。このほどハンガリー国会は、ブダペスト国会議事堂前で憲法改正を叫びパレードをする人々の主張を退けました。国会議員の三分の二が賛成した結果、今後は男性と女性の2つの性別しか認められなくなりました。よって、これまで行われていた性的マイノリティによるパレードは禁止されます。国勢調査によれば、ハンガリー人口約1千万人のうち、30%がローマ・カトリック、10%弱がプロテスタント・改革派、2%弱がプロテスタント・ルーテル派です。そして16%が無宗派と回答しましたが、回答者の40%は宗教に関する情報提供を拒否しました。  

最高裁判所前で判決を祝う婦人たち

また、4月16日英国最高裁判所もこの「性的マイノリティー問題」に対して判決を下しました。判決は、「人は法律上女性か男性かのどちらかの生物学的性別に基づく」という結論でした。この論争は女性の保護と促進を目的とした2010年の平等法(Equality Act of 2010)に関するもので、法的論争に終止符が打たれました。この問題は世界各地で波紋があり、日本も例外ではありません。お祈りください。


ウガンダ

ウガンダのビクトリア湖畔にあるキコンド村では、煙をあげている巨大なゴミの山が大問題となりました。そこでは耐え難い悪臭が漂い、有毒ガスも充満しました。ゴミの量は大型トラック72台にもなり、できるだけ早い処理が求められていました。ウガンダではゴミが至る所に散乱しており、道路や広場にはゴミが山積みとなっています。問題のキコンド村では、何年もゴミが蓄積され続けていました。その現状に目を止めたのは、30年以上宣教活動をしてきたハンス・ディーター・ シュトゥルツ宣教師です。地元の村長とともに、校長や陶芸家や地元の有力者と持続可能な解決策を探しました。その間に、ゴミはどんどん溜まる一方で、恒久的な解決策が必要でした。

大型トラック72台のゴミの山

そこでドイツと地元メソジスト教会の寄付によって、廃棄物焼却炉を建設することとなりました。建設は地元の職人たちによって行われ、作業手法なども訓練され、昨年10月末には完成しました。昨年末には廃棄物焼却炉は作動し始めました。ウガンダでは、このプロジェクトがロールモデルとなり、州は各地にはじめてゴミ箱を設置し始めました。そして廃棄物焼却炉へと話が進んでいます。  近隣の町の役人達が興味を持ったことは明らかです。「神の助けがなれば、こんなことは起こらなかったでしょう。」と。このモデルはウガンダの他の場所に、影響を与えています。ウガンダ・メソジスト教会本部も支援し、このプロジェクトは全国的に広まりつつあります。どうぞ、お祈りください。

バングラデシュ

バングラデシュはインドの東側にあるベンガル湾に面し、豊かな緑と多くの川や水路が特徴の国です。主にベンガル人が住み、国民の90%以上がイスラム教徒です。

シラユル師と夫人

昨年9月25日、数人の男たちがシラユル師宅に来て、イスラム教寺院での祈祷会に参加するように言いました。彼は元ムスリムで、キリスト教に改宗し現在は牧師です。彼はイスラム教寺院での祈祷会への招きを丁寧に断りました。その日の夜、寝静まっていたところ玄関ドアをノックする音が聞こえました。ドアを開くと約30人のイスラム教過激派の男たちが立っていました。彼らはシラユル師を連れて行こうとしましたが、理由もなく行かれる必要はないので断りました。すると彼らは大声で罵声を浴びせ始めました。シラユル師の夫人と2人の子どもたちは、恐ろしさで震えていました。あまりの騒音に気づいた隣人たちがやって来て、事態はエスカレートしました。過激派の男たちはシラユル師を殺す計画を持っていました。その晩は男たちは帰って行きましたが、それ以来脅迫や殺害予告が届いているそうです。どうぞ、このシラユル師と彼の家族のためにお祈りください。

インドネシア

モーニング・スター・ニュースと地元筋によれば、インドネシア当局はイースター前日(4月19日)、教会の礼拝堂を封鎖し、信者らがイースターを祝うことを禁止しました。場所はジャワ島西部バンテン州タンゲラン県で、2023年以降、教会は礼拝などの集会開催許可を申請していましたが、許可が出ませんでした。当局は許可証がないことを理由に、会堂を封鎖しました。英国BBCによれば、その後会堂の正面玄関に「この建物はもう使用されていません」と書かれた黄色い標識が掲げられたとのことでした。

 信徒のニルマラさんはBBCの問いに対し、このように話しました。「当局の封印によってイースターのお祝いの喜びが、クリスチャンはじめ多くの仲間たちを苦しめる悲しい出来事へと変わってしまいました。昔はみんなでイースターを祝い、子どもたちもみんなで喜び楽しい時間を持っていました。」彼女はこのように語ると、突然泣き出しました。そして「私たちはイースターのお祝いはもうできません。心には常に不安が渦巻いています。礼拝堂に『黄色』の標識を付けられた今、当局の権威に対し何もすることはできないからです。」と語りました。どうぞ、お祈り下さい。

ウクライナ人教会

 

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