アルメニア共和国 2
前号において、アルメニアの文化的背景と、今日まで伝道活動に影響を与え続けている苦しみについて考えました。今回は、こうした困難な状況下の伝道活動についてご紹介します。
長期的影響を及ぼした悲劇

1988年12月7日、アルメニアはさらなる恐ろしい悲劇に見舞われました。マグニチュード(M)6.8の地震がスピタク、ギュムリ、ヴァナゾールなどの都市や周辺の数十もの村を部分的、あるいは完全に破壊しました。公式発表によると、この日約2万5000人が死亡し、1万3000人以上が負傷しました。そして50万人以上の人々がこの日、家族、家、財産など、持っていたすべてを失いました。ヴァナゾール市では、市立公園に一時的に仮設キャンプが建てられました。人々は、手に入るあらゆるもの(鉄板、スレート、合板など)で、仮設住居を作りました。信じがたいことですが、この悲劇の影響は今日まで続いています。何年も経った今でも、官僚的な困難と経済状況により、約1千200人が国から約束された住宅をまだ受け取っていません。現在、当局は住宅費用の月額250ユーロ(約4万5千円)を負担するだけで、残りの半分は被災者自身が支払わなければなりません。しかし残念ながら、地元の給与水準ではそれは不可能です。多くの人にとって、この金額は手の届かない金額です。

このため、人々は出口のない状況に置かれています。すでに3世代目がこのような仮設住宅で暮らしている例もあります。特に子どもを抱えた独身女性にとっては、厳しい状況です。
湿気とカビの臭いが、このような場所を訪れたときに最初に気づくことです。長年にわたり、ヴァナゾールのキリスト教会は、このような家族に食料品パッケージを届けて支援してきました。この隣人愛は、福音宣教の架け橋となっています。
10万人以上が仕事と住居を求める
ナゴルノ・カラバフからの難民の状況も同様です。2023年9月、アゼルバイジャンの軍事作戦後、同地域のアルメニア人住民全体の10万人以上が家を離れ、アルメニアへ移動してきました。人々は数日以内に、最小限の所持品だけを持って急いで逃げました。多くの人が住居、仕事、家財を失いました。
全員が車を持っていたわけではないので、「私たちや他の多くの人々はバスでアルメニアに来て、小さなバッグ一つしか持っていませんでした」と、ステパナケルト出身のあるクリスチャンは語りました。国は、「住居問題を早くても2027年から2028年に検討する」、と約束はしています。現在、子どもの多い家族が優先されています。それまで、どこに住むことになるのか、私たちにはわかりません。
新しい住居と職場の問題は、これらの人々にとって切迫したものとなっています。アルメニアのキリスト教会は、これらの人々に一時的避難所を提供するため、自分たちの施設や部屋を提供しました。彼らが自分の住居を見つけ、教会堂を再建できるかという問題は、未解決で不確かなままです。
信仰は分かち合いに表れる
困窮している人々へのもう一つの愛の奉仕は、アルタシャトのキリスト教会の施設で行われる慈善食事会があります。現在、9家族から15人の人々がここで温かい昼食を受け取る機会を得ています。ウラジミールと彼の妻は、この重要な奉仕を何年も続けてきました。人々がパンを取りに来ると、彼らは霊的なパンも受け取っていきます。ある人々はキリスト教会に加わり、他の人々は別の場所に移り、キリストの愛と思いやりについて温かい思い出を持っていきます。クリスチャンたちは、この奉仕を続けるためのさらなる経済的支援を祈っています。

残念ながら、現在、すべての困窮者に食事を提供することはできません。誰かが引っ越したり、経済状況が改善したりした場合に備えて、しばしば人々を待機リストに載せなければなりません。理論上では30人から40人分の昼食を準備できますが、そのための資金がまだ十分ではありません。ウラジミールは、「私たちは、言葉だけでなく行動によって人々に仕えることは、神からの召命と考えています」と語っています。困窮している人々にパンを分かち合うことは、キリストに従う者すべての第一の務めです。
宗教ではなく、信仰が人々を変える

アルメニアの働きについて語る際、子どもや青少年の活動を見過ごすことはできません。夏休みで子どもたちが学校に通わない時期、キリスト教会は地域の伝道目的の子どもキャンプを企画します。遊びや楽しみとともに、子どもたちは神の言葉を聞き、それが後に彼らの心の中で実を結ぶことになります。ほとんどの場合、週末キャンプとして行われ、1日平均20人から70人の子どもが参加します。中にはヤジディ教徒が住む村で開催されるキャンプもあります。アルメニア社会の閉鎖性を考えると、これはまさに貴重な機会です。定期的にキャンプが開催される場所では、もはや十分なスペースはありません。追加施設や建物が必要となっています。貧しい家庭の多くの子どもたちにとって、キリスト教の「子どもキャンプ」への参加は、国内のキリスト教会や西側からの支援によって可能となっています。どうぞ、お祈りください。
(つづく)
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