「オープン・ドアーズ」のレポートから 1
「北朝鮮からの叫び」のコーナーは、今回で101回を迎えました。私たちはこれまで脱北者の回心の証をお届けしてきましたが、ここで一度立ち止まります。そして現在の北朝鮮国の様子を、国際的宣教団体「オープン・ドアーズ」の調査部門であるワールド・ウォッチ・リサーチによる詳細な報告書を参考にしてお届けします。この報告は2回にわたりお届けします。
北朝鮮の背景
そもそも20世紀初頭、平壌で大きな「霊のリバイバル」(信仰覚醒運動)が始まりました。これにより北朝鮮の首都平城は、「東洋のエルサレム」として知られるようになりました。多数の人々がイエス・キリストの救いに与り回心しました。市内には数百ものキリスト教会が設立され、宣教師たちは全国各地に教育機関を開設しました。当時は日本の統治下で、北朝鮮のキリスト教共同体は次第に迫害を受けるようになりました。第二次世界大戦での日本の敗北後は、金日成(キム・イルソン)が権力を握り、共産主義(無神論)体制を導入しました。そして朝鮮戦争(1950~1953年)の間、多くのキリスト教徒が南朝鮮(韓国)へ移動しました。この時期には、数万人ものキリスト教徒が殺害され、投獄や辺境地域に追放されました。残りのキリス者は、地下に潜るようになりました。いわゆる地下教会が生まれました。
現在、国家が定める宗教は、いわゆる「金日成主義」(一支配者一族への崇拝)と「主体(チュチェ)思想」です。後者の核心は、人間は自分自身で十分であり、自分自身のみに頼るべきだというものです。すべての国民は、毎週「自己批判」の集会に参加し、100ページ以上のイデオロギー教材を暗記しなければなりません。儒教の影響を受けた北朝鮮は、「出身成分(ソンブン)」と呼ばれる社会的分類制度を発展させており、すべての国民を三つの階層のいずれかに分類しています。すなわち、核心階層(社会の約28パーセント)、動揺階層(約45パーセント)、敵対階層(約27パーセント)です。キリスト教徒とその子孫は「敵対」階層に分類されます。そしてキリスト信仰は、撲滅すべき危険な外来宗教とみなされています。オープン・ドアーズの調査では、数万人のキリスト教徒が労働収容所に収容されていると推定されています。2020年の国連報告書では、これらの収容所における女性に対する人権侵害が指摘されました。性的暴力、強制的な裸体、強姦、強制中絶等が含まれます。キリスト教徒の男性も、労働収容所で身体的暴力や虐待を受けています。
住民の宗教的所属に関する信頼できるデータは存在しません。オープン・ドアーズは、キリスト教徒の数を約40万人と推定しています。仏教や儒教の信者も存在しますが、これらの人々は誰にも気づかれることなく、もっぱら内面的に信仰を実践することが比較的容易です。
金正恩体制
2011年から権力の座にある金正恩(キム・ジョンウン)は、議会、政府、軍を掌握しています。彼は北朝鮮が国際的に真剣に受け止められることを望み、国のミサイルと核技術の推進に取り組んでいます。長い間予見されていた通り、北朝鮮は2022年9月に「核保有国」を宣言しました。金正恩は北朝鮮国民からますます崇拝されるようになり、父と祖父に匹敵するほどです。経済的には北朝鮮は国際制裁に苦しんでいますが、体制側は、困窮する国民に外部からのアクセスを認めていません。しかし、ロシアのウクライナに対する戦争は、北朝鮮体制にとって有利に働いています。北朝鮮はロシアに武器、兵士、労働者を提供し、その見返りとして穀物、資金、政治的な後ろ盾を得ているからです。北朝鮮の情報機関と中国警察の協力強化により、北朝鮮から脱出したい人々がますます増加しています。彼らの多くは特定され、北朝鮮に強制送還されています。これは中国で導入されている顔認識技術によって、さらに容易になってきました。北朝鮮国民は現在、農業生産の減少と食料配給システムの不備により、深刻な食料不足に苦しんでいます。

共産主義による抑圧
北朝鮮では指導者への個人崇拝が中心に据えられていますが、この国は依然として共産主義の慣習と社会統制に従い統治されています。宗教は危険なものと見なされ、キリスト教徒は社会階層分類制度「出身成分(ソンブン)」において「敵対」階層に分類されています。金正恩は国家への忠誠の誓いを改定し、父と祖父の業績への言及を減らし、自身の業績をより強調するようにしました。2020年には、金正恩は複数の場面で父や祖父を称えることをせず、国の最高の祝日である太陽節にも、彼らの「聖廟」を訪問しませんでした。
さらに、2024年10月には、父と祖父が導入した主体暦の暦法体系を廃止することを決定しました。これは、彼がいかに自らの権力を固めたかを示しています。上記の2つの迫害の原動力は非常に密接に結びついており、ほぼ一つに融合しています。キリスト教徒迫害の主な責任者は、政府当局者と支配政党「朝鮮労働党」です。次いで、彼らの家族と一般市民からの密告です。それによって、キリスト教徒とその家族が迫害を受けています。当局の最高目標は、国家とその指導者の存続です。一般市民は、隣人を監視してあらゆる不審な行動を当局に報告することで、彼らも迫害者となっていることが実態です。どうぞ、北朝鮮のためにお祈りください。
(名前は全て仮名)(つづく)
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