「オープン・ドアーズ」のレポートから 2
市民の私生活
共産主義体制下で、警察と秘密警察工作員は予告なしに住居を捜索します。キリスト教関連の資料が見つかれば、国家に対する犯罪とみなされます。そして家族全員が追放、逮捕、または処刑される可能性があります。未登録のスマートフォンやラジオで、許可されていないメディアにアクセスした者は処罰されます。クリスチャンは夜間に、毛布の下に身を隠しキリスト教ラジオ番組を聴くことしかできません。その他あらゆる形態の宗教行為は、「極度の不忠実行為」とみなされます。市民は家族を含め、体制の敵となりうる人物を通報するよう訓練されています。教師は生徒に対し、子どもたちが学校で学んだことと矛盾する行動をとる親が入れば、告発するよう促しています。

家庭生活
洗礼を公に行うことはできません。もし、発覚すれば投獄や処刑につながります。私生活に関しては既に述べたように、自分の子どもに信仰について話すことは非常に危険です。もし未信者の親族が子どもへの聖書教育の事実を知るならば、親族は夫婦の離婚を強制し、すべての記録を抹消しようとすることがあると、一部の脱北者は報告しています。そうでない場合は、連座制の原則により家族全員が尋問され投獄されます。金日成主義は幼稚園から大学まで、最も重要な科目です。洗脳は幼い頃から始まります。核物理学のような分野の博士課程のカリキュラムでさえ、学習内容の約30パーセントは主体(チュチェ)思想の学習に充てられています。キリスト教信仰はアメリカ帝国主義者の破壊的イデオロギーとしてみなされ、すべてのクリスチャンは国家への裏切り者でありスパイとみなされます。「子どもや若者は、幼い頃から学校でそう教えられてきたため、当然のようにキリスト教信仰やクリスチャンを憎んでいます。」、と同国の専門家は述べています。2025年3月には、「朝鮮少年団」(共産主義の幹部組織)の指導者を対象とした初の全国規模の研修が実施されました。参加者は、子どもたちが国家イデオロギーを学び、従うように効果的な方法を学習しました。
社会生活
北朝鮮は「人民班」、すなわち共産主義の隣組監視システムを適用しています。それは住宅ブロック内で起こるすべてのことが、当局に報告される制度です。警察や秘密警察による恣意的な尋問は、すべての市民にとって日常的なことです。その目的の一つはクリスチャンを発見し、彼らを政治犯として処刑するか、収容所や辺鄙な山岳地帯に送ることです。北朝鮮問題の専門家によれば、北朝鮮から脱出した人々は、強制送還された場合の尋問とそれに伴う拷問を特に恐れています。クリスチャンの親族がいる者は、厳しく監視されます。良い学校教育や大学教育を受けること、また軍や朝鮮労働党に入ることは妨げられます。すべての北朝鮮国民は、通勤・通学の途中で銅像の前でお辞儀をし、自己批判会や国家行事などの実践に参加しなければなりません。
国家における生活
2020年の新たな「反動思想文化排撃法」は、憲法第68条と関連して、国民は「信仰の自由を有する」が、「何人も宗教を口実として、外部勢力を引き入れ、国家及び社会秩序を損なってはならない」と規定しています。国家にとって憲法よりも重要なのは、朝鮮労働党が策定した「唯一思想体系の十大原則」です。これが北朝鮮政府と社会の指導原則です。建国者・金日成の教えに基づくこの規則は、最高指導者(「首領」)と朝鮮労働党に対する国民の揺るぎない忠誠を確保することを目的としています。さらに、主体思想は準宗教として機能しており、最高指導者またはその家族の発言に疑問を呈することは許されません。それでも疑問を呈すれば、厳しく罰せられます。国営メディアは反キリスト教的な内容を流布し、クリスチャンを国家の悪質な裏切り者として描き、宣教活動を「テロ行為」と呼んでいます。同国の専門家は次のように述べています。「北朝鮮のすべてのメディアは、国家管理下にあります。クリスチャンを強盗、詐欺師、国家反逆者、アメリカという敵のスパイとして中傷しています。しかしこれはマスメディアだけに限りません。教科書でもクリスチャンは否定的に描かれ、他の出版物、映画、公文書、思想学習教材でも同様です。」クリスチャンは恣意的に逮捕され、裁判なしに罰せられます。裁判を受けた外国人クリスチャンでさえ、平等な扱いを拒否され、長期間にわたり恣意的に拘留されています。
教会生活
北朝鮮ではすべての教会活動は違法であり、例外は平壌にある政府公認教会での礼拝のみです。そこは観光客が連れて行かれ、国内の宗教の自由の「証拠」として利用されています。最近も地下教会が発見され、クリスチャンが労働収容所に送られたり、処刑されたりするケースがありました。しかし、ここでは安全上の理由から詳細な情報を提供することはできません。国家体制は特にキリスト教グループの指導者を発見し、罰し、彼らのネットワークについて尋問することに大きな関心を持っています。観光客の荷物は入国時と出国時に検査され、個人使用の聖書は1冊だけ持ち込みは許され、北朝鮮に置いていかないことが確認されます。キリスト教関連資料の輸入と製造は、一切禁止されています。「韓国統一研究院」が発行した「2021年北朝鮮人権白書」によれば、聖書を所持しているだけで公開処刑されるケースがますます増えています。聖書配布は所持よりも、さらに厳しく罰せられます。北朝鮮国民は政府の許可なしに出国できないため、海外での会議や他のクリスチャンとの集まりへの参加は不可能です。これらが、現在の北朝鮮の実態です。どうぞ、北朝鮮の人々を祈り覚えてください。
(名前は全て仮名)(つづく)
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