デトロイト光シティ教会-1
米デトロイト 光シティ教会 牧師 馬越 牧
主の御名を賛美いたします。私たち家族は2020年2月よりアメリカ・ミシガン州デトロイトにおいて、日本語教会の開拓に携わっています。韓国人の妻・ソニと渡米、当時はまだ5歳だった娘の麗歌と共に、アメリカの地に降り立ってから早いもので6年半の月日が流れました。かつて自動車の街として栄え、今なお世界の産業の中心地の一つであるこの場所に、主は私たち家族を導き、「光シティ教会」というひとつの群れを誕生させてくださいました。
ここデトロイト周辺には、自動車産業のエンジニア、大学の研究員、最前線で活躍するビジネスパーソンなど、約2万人もの日本人が暮らしています。彼らの多くは、3年から5年という限られた任期を持って日本から派遣されてくる「駐在員」とそのご家族です。「なぜ、この地に教会を開拓したのか」という問いに対する答えは、まさにこの「2万人」という数字の中に、福音がまだ届いていない多くの魂があるという、主の切なる御心に他なりませんでした。
神からの召命
しかし、神様が私をこの尊い働きへと導かれるまでの道のりは、決して平坦なものではありませんでした。かつての私は、今とは全く違う世界に生きていました。東京のビジネス界で働き、クリスチャンでありながらも、当時の関心は「いかにお金を稼ぎ、成功するか」ということばかり。絵に描いたような世俗的な価値観の中で生きていたのです。しかし、神様の計画は不思議でした。ある時、東京の母教会で子どもたちに向けて聖書のメッセージを語る機会が与えられました。その瞬間、私の心に激震が走りました。一人の子どもの目を見つめ、神の御言葉を語る。そこには、それまでビジネスで得たどんな達成感をも遥かに凌駕する、「御言葉を語る真の喜び」がありました。お金や名誉への執着は、驚くほど綺麗に消え去っていました。「これこそが、神様が私を全生涯かけて招いておられる召命だ」と、確信した瞬間でした。
その後、妻と結婚し、韓国の神学校と現地の教会で経験を積む中で、私の心にはゼロから教会を建てる開拓伝道への熱い思いが与えられていきました。そんな中、アメリカですでに教会開拓に挑み、苦労しながらも生きた神の力を体験している牧師たちから紹介を受け、私たちは「アメリカでの教会開拓」に向けて本格的に祈り始めることになったのです。
宣教の地デトロイト
しかし、次なる神様の導きの地が「デトロイト」だと示された時、私の正直な本音は「そこだけは行きたくない」というものでした。映画『ロボコップ』の舞台であり、治安が悪く、危険で荒廃した街―それが私の持つデトロイトの強い印象だったからです。人間的な恐れや不安が先立ちました。しかし、夫婦で向き合い、祈りを重ねていく中で、人間の理屈を超えた不思議な聖霊の平安が私たちの心を包み込んでいきました。「神様がともにおられるなら、どこへでも行こう」。そして私たちは、まさに神様の完璧なタイミングによって、世界がコロナ禍でシャットダウンされ文字通りの直前であった2020年2月、未知の地へと一歩を踏み出しました。
いざデトロイトに降り立ったものの、私たちには現地に頼れる知人やコネクションは一人もいませんでした。まさに完全な孤立無援からのスタートです。しかし、神様の備えは人間の想像を遥かに超えていました。私たちがこの地に来る何年も前から、現地のアメリカ人教会である「Mile City Church」の牧師が、この街に住む多くの日本人の魂の救いのために、ずっと祈り続けてくれていたのです。

迎えてくれた現地クリスチャン
光シティ教会
見ず知らずの土地で、神様の不思議な手引きによって、私たちはこの牧師と巡り合うことができました。何年も祈っていた祈りの答えとして、私たちを温かく迎え入れてくれた彼は、私たちの開拓のために多大な支援を約束してくれたのです。誰も知る人のいなかった地で、すでに私たちのために祈り、待っていてくれた現地教会がある。この奇跡的な人との繋がりを体験した時、私たちは神様が確かにこのデトロイトの地で働いておられることを確信しました。
こうして誕生したのが、「光シティ教会」です。この名前には、私たちが受け取った強いビジョンが込められています。
日本を夜の衛星写真で見ると、列島全体が眩いほどの光で輝いています。アジアの中でも最も明るく経済的に豊かな国の一つです。しかし霊的な現実に目を向けるとき、人口におけるクリスチャンの割合は極めて低く、多くの人々が心の渇きと暗闇の中に生きています。物質的にはどれだけ明るく見えても、霊的には暗闇にある日本の人々へ、イエス・キリストという「真の光」を届けたい。デトロイトに住む約2万人の日本人の方々がキリストの光に照らされ、そこから日本へ、そして世界へと光が広がっていくように。そんな祈りと共に、私たち家族は新たな土地での一歩を踏み出しました。
(つづく)
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