豪州メルボルン、都心での伝道 2


クロスカルチャー教会

牧師 渋谷タケシ

空前のオーストラリアブーム

突然ですが問題です!今世界一日本の若者が押し寄せている国はどこでしょうか?正解はオーストラリアです。海外在留邦人数(外務省)だと豪州はアメリカ、中国に続く第3位(約10万人)ですが、20代に絞れば豪州がダントツ1位となっています。背景には豪州の好景気(最低時給2600円)、ビザ取得の容易さ、治安の良さ、過熱報道が考えられていますが、このような時代の流れで、メルボルンで始めた私たちの教会開拓にも多くの日本人Z世代が押しかけてくるようになったのです。私が育った日本の教会では“若者は教会から離れていく”のが当然だったのに、真逆の現象が起きています。これは私が持っていた教会像を破壊するものでした。若者たちは変わりやすく、時間とお金をかけても結局はいなくなると彼らをどこかで軽く見てきたことを、まず私が悔い改める必要がありました。そして、主が彼らを愛されていること、たった一度でも福音を聞いて欲しいと願っているイエスの心に目が開かれていきました。

日本語クリスチャンカンファレンスの導き

 私たちはこの数年の光景を目の当たりにして、主ご自身が積極的に日本人の若者を豪州に送ってくださっていること、これは日本宣教の活性化につながる伏線ではないかと受け取るようになりました。さらに、今豪州に点在している日本人クリスチャンたちが協力したら、さらに宣教が前進するだろうと確信するようになりました。このような思いに突き動かされ、2024年3月に宣教カンファレンスをメルボルンで開催するよう導かれました。

主が与えてくださった宣教ビジョン

リーダーたちと祈り合っている時、「あなたがたは、『まだ四か月あって、それから刈り入れだ』と言ってはいませんか。しかし、あなたがたに言います。目を上げて畑を見なさい。色づいて、刈り入れるばかりになっています。すでに、刈る者は報酬を受け、永遠のいのちに至る実を集めています。それは蒔く者と刈る者がともに喜ぶためです。」(ヨハネ4:35、36)と示してくださいました。豪州で主の不思議な働きが始まっていること、各地に点在するすべてのクリスチャンが御国のために用いられること、主の救いの働きを目撃し「ともに喜び合い」、親しい交わりを持つことができるビジョンを受けました。ここから、大会テーマは「Rejoice Together」としました。

渋谷ファミリー

大会講師には渋沢憲一師(NZクライストチャーチ日本語教会)が駆けつけてくださり、(1)一人が救われる時に爆発する神さまの喜び、(2)天国を待ち望む教会の喜びが語られました。各地に点在する群れは小さく困難も通されますが、主から熱い眼差しを受けていることに大いに励まされました。また、スペシャルゲストとして清水摂さん(JCFN北米代表主事)も駆けつけてくださり、北米での30年間の取り組み、出会った瞬間から帰国後を見据えた関わりをしていくことの重要性について教えられ、今日から使える具体的なヒントをいただきました。主は今回、オーストラリア、ニュージーランド、日本から総勢120名の参加者を集めてくださいました。中には人生でこれだけ沢山の日本人クリスチャンが賛美をしている姿を見たことがない…と涙を流しながら主を礼拝された方がいました。また、問題の中で主を見失っていた方からは、もう一度初めの愛に立ち返るチャンスをもらったと感想をいただきました。主がクロスカルチャーの開拓チームに与えてくださった情熱とビジョンが、参加者のうちにも同じように注がれたことを見聞きして、私たちも大きな励ましをいただきました。

宣教カンファランス参加者たち

ともに喜ぶ関係の発展

大会終了後にはFacebookのプライベートグループを立ち上げましたが、こちらも豊かに用いられています。各地で繰り広げられている創造的なイベント(鍋パーティー、夏祭り、ダンス、バイキング)の様子を見て、宣教の喜びやアイデアをシェアする場所となっています。また、クリスチャンたちが始めたポッドキャストやYouTubeチャンネルの紹介、祈りの課題も投稿され「ともに喜ぶ」の関係が広がり続けています。このグループが活発に用いられている一つの理由として、牧師や役員という組織のリーダーではなく、主役は一人一人のクリスチャンという草の根運動的なコンセプトがあるからです。さらに、教団・教派、どの日本語の群れに所属しているかを問わず、主の御国のゆえに一致するという視点が日本語宣教ムーブメントを前進させています。豪州各地では5年以内に世代交代の波が来ると予想されていますが、各地のクリスチャンたちが困難の中でも主にあって喜び合う関係を持ち、祈り合えるように働きかけていくことが、私たちの教会のビジョンの一つです。ぜひオーストラリアでの日本人宣教のためにお祈りください。(追伸:私たちは教会インターンを随時募集中です。国際的なチームでの教会開拓、伝道実践、メンタリングにご興味がある方は、「ミッション・宣教の声」事務局までお問い合わせください。)

(つづく)


過去の記事

490号488号487号485号
484号483号482号481号480号479号478号
476号475号474号473号472号471号470号469号

お気軽にお問い合わせください。06-6226-1334営業時間10:00~18:00(土日・祝日除く)

メールお問い合わせ