パキスタン

国際人権協会(IGFM)とキリスト教出版社「IDEA」は、パキスタンのクリスチャン、タビシュ・シャヒード君とイェシュア・シャヒード君を「10月の囚人」に指名しました。彼らは18歳の双子で、彼らのために立ち上がるよう世界に発信しました。2人はコーランを冒涜した容疑で、8月末からカスール(パンジャブ州)の刑務所に収監されています。コーラン冒涜法によれば、彼らは終身刑または死刑に処される可能性があります。  州都ラホールの兄弟たちは8月26日、カスール地区の親戚を訪ねていましました。その時、村のイスラム教徒はスーフィーの聖者を讃える恒例の祭りを行っていました。十代の若者たちは遊びの紙幣をまき、コーランの聖句がかれた紙幣を空中に投げていました。文字の読めない2人はコーランのコピーを紙くずと誤り、それを拾いコピー紙を引き裂いてしまいました。これを観察していた通行人と何人かの傍観者が、兄弟たちを冒涜罪で非難し、2人を殴りつけました。2人はなんとかして現場から逃げることができました。しかし、モスクから双子を捕まえるよう呼びかけると、周囲にいたムスリムたちが立ち上がりました。そして40以上のキリスト教徒家族に、報復行為の可能性を警告しました。警察は何人かのクリスチャンを捕え、兄弟たちが降伏するまで、彼らの親戚を含む近所のキリスト教徒らを逮捕しました。英国の人権団体CLAASの理事長は、「この兄弟たちの逮捕について、行動を正しく理解せずに冒涜罪で告発するのは憂慮すべきことである。」と主張しています。ISRとIDEA社は世界中のクリスチャンに、パキスタンのアシフ・アリ・ザルダリ大統領に手紙を書くよう求め、双子の兄弟の釈放を求め安全を確保すべきと主張しています。2人のクリスチャンのために、どうぞお祈りください。


ベネズエラ

 人口2千844万人の南米ベネズエラ国では、権威主義的社会主義国家元首のニコラス・マドゥロ大統領が、クリスマスを10月1日に繰り上げました。マドゥロ大統領はテレビ放送で、クリスマスには平和、喜び、安全が訪れると述べました。国民の大半が貧困に陥っているこの南米の国は、政治的危機の真っただ中です。7月の大統領選挙が不正疑惑によって台無しになったことを受け、選管は2013年から政権を握っているマドゥロ大統領を勝者と宣言しました。マドゥロ大統領はすでに、クリスマスを2020年には10月15日、2021年には10月4日に前倒ししていました。これまでのところ、クリスマスの前倒しに対して、教会代表からは反応はありません。カトリック教徒が大多数を占めるこの国のキリスト教会は、マドゥロ大統領に批判的です。どうぞ、お祈りください。

 

ドイツ

カイロのエリアス氏

ドレスデンにおいて、第一回エルベ川洗礼式が行われました。これはザクセン州ルーテル福音教会の第一回エルベ川洗礼式で、50人が洗礼を受けました。この洗礼式は、地域教会のウェブサイトに掲載された報告書から明らかになりました。この洗礼式の際に、「ここにいます」というテーマで野外礼拝が行われました。それは、ドレスデン・ディアコニッセ・ナンシュタルトの協力を受けて行われました。式には約500名の来場者がありました。バプテスマを受けた人々の約3分の1は大人で、残りは子どもと若者でした。彼らはエルベ川の水で浸礼によるバプテスマを受けるか、洗礼盤からの滴礼によるバプテスマを受けるか、選択することができました。浸礼か滴礼かの選択により、教会は洗礼の話題に注目を集めようと考えました。それによって教会コミュニティとのつながりが、ほとんどない人々にアプローチしたいと願っています。ドレスデン・ブラスヴィッツのルーテル福音教会のアンケ・アーノルド牧師は、「洗礼式への反応は、私たちの要求を裏付けるものだ」と語っています。なおこの洗礼式には、40名を超えるボランティア協力者がありました。

ドイツに入ったナゴルノ・カラバフから難民

約10万人のアルメニア人がアゼルバイジャンからドイツへ避難して、1年が経ちました。難民の多くは未だにトラウマを抱えています。これはアルメニアの援助団体「ディアコニア慈善基金」のバルイル・ジャンバジアン代表が明らかにしました。この組織は、難民への救援活動と慈善活動を提供しています。ジャンバジアン氏は、避難民は非常に憂うつ状態で、特に子どもたちは心理的な問題に苦しんでいます。彼らは民族浄化により、封鎖状態が10ケ月におよびました。人々は家を失い難民となりました。そしてドイツに入ってきた彼らは、仕事、アパート、子どもたちの学校を見つけ、衣食を得て新生活環境で自分たちの道を見つけなければなりません。一方、アゼルバイジャンは心理戦の一環として、荒廃し略奪されたナゴルノ・カラバフ地域のビデオと画像を公開しています。それは難民にとって耐え難いことです。  ジャンバジアン氏は、なぜ世界のキリスト教徒が沈黙するか理解できないと語っています。「現地のキリスト教徒は、絶滅の危機に瀕している。残っているのは、祈りによって支えられている一部の忠実なキリスト教徒である。キリスト教世界では、多くの人々は無関心で行動がないのは悲しいことである。彼らにとって、経済的および地政学的な支援は非常に重要で、民族浄化は民族浄化であり、表面上だけの問題ではない」と。どうぞお祈りください。

ウィクリフ聖書翻訳

 旧新訳聖書の翻訳は、現在756言語で入手可能となりました。これは、ウィクリフ・グローバル・アライアンス(WGA)の年次統計で明らかにされました。昨年以来、聖書の完全な翻訳が20ケ国語追加されました。新約聖書は1,726言語で利用可能です(2023年:1,658言語)。そして聖書または聖書の一部は、合計3,756言語で利用可能です(2023年:3,658言語)。WGAは、世界中で7,394の現存言語が存在すると推定しています。ウィクリフ・グローバル・アライアンスとは、100を超えるウィクリフとパートナー組織の統括組織です。名前はイギリスの神学者で教会改革者ジョン・ウィクリフ(1330~1384年)にちなんで命名されました。全世界に福音が宣べ伝えられるために、聖書翻訳は重要な働きです。お祈りください。

ウクライナ

1万4千人の市民がロシア軍によって誘拐された看板

ウクライナ人権委員によると、現在約1万4千人の民間人がロシア軍によって誘拐されたと推定されています。国連(UN)は、ウクライナ人捕虜に対してロシア軍は過酷な拷問を加え、刑務所内での最悪の状況を報告しています。オレナ・ツィヒパ夫人は2年以上、非常事態の中で暮らしています。彼女は朝食後、夫の解放を祈りつつ、一人で一日を始めます。夫、ジャーナリストのセルギイ・ツィヒパ氏(63歳)は、2022年3月12日にウクライナ南部ヘルソン地方の検問所で逮捕されました。わずか約100キロしか離れていないクリミアのロシアの「最高裁判所」は、彼をスパイ容疑で流刑13年の刑を言い渡しました。彼はロシア中部スコピンの第3流刑地にいると言われています。オレナ夫人は当初、強い鎮静剤と心理的支援を必要としました。しかし彼女はメンタル・セラピーを受けて少しずつ回復し、今は夫のために戦う新たな力を得ています。

国際人権協会(IGFM)は、セルギ・ツィヒパ氏をはじめとして60件もの事件をウェブサイトに掲載しています。東ヨーロッパ部門のIGFM職員ヴァレリア・リアムジエンコ氏によれば、誘拐されたウクライナ人は通常、誘拐直後に非公式の拘置所に送られます。そこで受刑者は最長6か月間、苦難に耐えなければならないと言われています。国連統計によれば、拉致された人の90%が殴打や電気ショックによる拷問、そしてレイプ等を経験しています。リアムジェンコ氏は、食糧は貧弱で医療もない、と語ります。心臓病と前立腺炎を患っているツィヒパ氏にとって、この苦難は大きな戦いです。ウクライナの民間人拉致の背後には、ロシア側の打算があります。ロシア軍は尋問を通して、貴重な情報を入手したいと考えているからです。その一方では、明らかに親ウクライナの立場でロシアの権威を拒否する人々に過酷な罰が課せられます。国際法でば、民間人は実際には補償なしで解放されるべきである、リアムジェンコ氏は主張しています。ロシア側は、できるだけ多くの貴重な軍人を取り戻そうと、捕虜交換に関する交渉を有利にまとめたいと考えています。  リアムジェンコ氏は、拉致されたウクライナ民間人のために立ち上がるよう人々に訴えています。ドイツのロシアへの圧力が強ければ強いほど、捕虜が生き残る可能性は高まります。オレナ・ツィヒパ氏と83歳の母親は、拉致されたウクライナ人のために祈っています。どうぞお祈りください。

ニカラグア

釈放された人々を乗せたバス

ニカラグア政権は、投獄されていた福音派牧師と職員13人を釈放しました。今回釈放されたキリスト教徒らは、政治犯135人からなる大規模なグループの一員で、グアテマラに連行されていました。

 国際人権協会(IGFM)がIDEA社に認めたところによると、その中にはマリセラ・デ・ファティマ・メヒア・ルイス師と夫のウォルナー・ブランドン師も含まれていました。40歳のブランドン師は、キリスト教出版社「IDEA」社と国際人権委員会(IGFM)の2024年9月の「今月の囚人」に選ばれていました。ルイス師と一緒に解放されたプロテスタント信者は、米国のミッション「マウンテン・ゲート・ウェイ」の地方支部の人たちでした。3月の偽裁判において、政権はマネーロンダリングの疑いでキリスト教徒らに12年から15年の懲役と、1人当たり7,200万ユーロ相当の罰金を言い渡していました。宣教団体は疑惑を否定しています。この事件に関与したADFインターナショナルのクリスティーナ・イェルクレム弁護士は、釈放を神に感謝し、次のように述べました。 「2018年の政権に対する大規模な抗議活動以来、社会主義統治者オルテガ・サアベドラ大統領の批判者たちは厳しい迫害を受けてきた。それ以来、何千人もの市民が抗議し取り組み、民間機関、メディア、宗教団体等が違法であると宣言してきた。」人口約695万人、カリブ海と太平洋に囲まれた美しい国ですが、宗教は憲法上は自由ではありますが現実は違います。したがって内政は安定していません。 どうぞお祈りください。

釈放されたブランドン師夫妻

過去の記事

490号488号487号485号
484号483号482号481号480号479号478号
476号475号474号473号472号471号470号469号

お気軽にお問い合わせください。06-6226-1334営業時間10:00~18:00(土日・祝日除く)

メールお問い合わせ