スウェーデン
スウェーデン北部のキルナ市で、おそらく前例のない出来事がありました。それは1912年に建てられた木造建築の福音ルーテル派教会堂が、そのまま移動されたことです。幅40メートル、重さ672トンの教会堂は、8月18日と19日に専用の運搬車で市内を5キロメートル移動しました。しかし、この移動のためには、まず教会周辺の地面を徹底的に掘削する必要がありました。この異例の移動には約4,450万ユーロ(約7億7,765万円)の費用がかかりました。キルナ市の鉱山では、鉱石の採掘によって地盤が変動し、市街地の一部が崩壊したり水没したりする恐れがあるためこの手段が取られたそうです。そのため、住民、家屋、文化遺産は長年にわたり移転を余儀なくされてきました。建築家グスタフ・ヴィックマン氏によって建てられたこの教会堂は、スウェーデンで最も美しい教会建築の一つと言われています。

米 国
米ジョージア州の法廷で起きた感動的な場面です。夫を殺害したにもかかわらず、未亡人は加害者を抱きしめて赦しました。2024年3月3日、ジョセフ・ティルマン容疑者(24歳)は、アルコールと薬物の影響下、電動自転車に乗っていた78歳のチャック・ジョンソン氏を車ではねてしまいました。ジョンソン氏は後に病院で死亡が確認されました。「本当にごめんなさい」ティルマン容疑者は法廷で、過失致死、ひき逃げ、虚偽証言、飲酒運転、無謀運転のすべての罪状を認めました。するとレジーナ・ジョンソン未亡人は法廷で、容疑者を抱きしめたました。ティルマン容疑者は、神がどれほど自分を愛しておられるか知らなかったと語りました。

加害者を抱きしめる未亡人
WSB-TV2チャンネル(アトランタ)によると、ティルマン容疑者はジョンソン未亡人に「本当にごめんなさい。本当にごめんなさい」と何度も言いました。ジョンソン未亡人は同局に対し、「彼は私たち皆と同じように、過去の出来事から癒される必要があります。それが私たちの心からの願いであり、祈りです」と語りました。彼女はこの若者に再起のチャンスが与えられることを信じていると、証ししました。トニー・ベイカー判事は彼女の行為に感銘を受け、称賛の意を表しました。ベイカー判事は、被害者の妻が殺人を犯した被告を抱きしめるのを見たことがないと語りました。WBS-TVによると、実業家であるジョンソン氏は、教会の礼拝チームで活動していたほか、刑務所での宣教活動やメンターとしても活動していました。ジョンソン容疑者がバーで飲酒し、その後「ギャラクシーガス」と呼ばれる、酔わせる作用のある亜酸化窒素を吸入したところを摘発されました。ティルマン容疑者は懲役20年の判決を受け、最初の3年間は刑務所で服役します。残りの期間は執行猶予付きで保護観察となります。
イラン
イスラエルとの軍事紛争終結以来、イランでは少なくとも54人のキリスト教徒が逮捕されました。これは、キリスト教人権団体「Article18」(ロンドン)の報告です。同団体によれば、6月23日以降、イラン国内の少なくとも18都市で逮捕の波が起こっています。拘束された人々の多くは、イスラエルや米国等の「敵対国」に協力した容疑で逮捕されまし。軍事紛争中、そして6月25日の停戦発効直後、イランのメディアでは「福音派」キリスト教徒に対するヘイトスピーチが増加してきました。彼らは「シオニスト」や「イランの敵」と表現され、「イランへの攻撃を喜んでいる」「シオニストテロリストの勝利」を祈っていると言われます。「Article18」のマンスール・ボルジ・デレクターは、「このヘイトスピーチは、キリスト教徒への暴力の呼びかけに等しい」と懸念を表明しています。どうぞ、お祈りください。
中央アジア
中央アジア諸国では、聖書は「贅沢品」とみなされています。ドイツ聖書協会は、ニュースレターでこの点を指摘しています。一例としてキルギスタンが挙げられます。中央アジアで2番目に貧しいこの国では、人口の4分の1が貧困線以下の生活を送っています。聖書協会はまた、一般書店では聖書が入手できないと報告しています。イスラム教徒が多数を占めるこの国では信教の自由が認められていますが、聖書の配布は公式には登録された教会や、地元の聖書協会などのキリスト教団体の敷地内でのみ認められています。これは他の中央アジアの国では禁止されています。
モルディブ
インド洋に面した人口約52万人の世界第2位の小国は、珊瑚礁に囲まれた美しい国です。しかし国際人権協会(IGFM)は、モルディブの人権状況を批判しました。7月26日は、この島国がイギリスから独立して60周年を迎えた記念日でした。しかし、イスラム教が国教で、宗教の自由は認められず、石打ちや鞭打ちといったシャリーア法に基づく刑罰が科せられています。教会やその他の非イスラム教の礼拝所は禁止されています。非イスラム教徒は市民権を剥奪され、改宗は市民権とそれに伴う選挙権を失うことを意味しています。IGFMは批判していますが、どうぞお祈りください。
シリア
キリスト教支援団体「クリスチャン・ソリダリティー・インターナショナル」(CSI)は、シリア人キリスト教徒のスレイマン・ハリル氏の即時釈放を求めるよう訴えています。CSIによると、51歳のハリル氏は2月8日から何の説明もなく拘束されています。彼は独房監禁されており、弁護士も面会が許されません。ハリル氏は2011年、キリスト教徒が多数を占めるサダド市の市長に選出されました。彼は退陣したバッシャール・アル・アサド氏が容認していた野党党員でした。しかし彼は2016年にアサド政権によって追放されました。CSIによると、観測筋はハリル氏の恣意的な逮捕を、アハメド・アル・シャラ氏率いる新政権による遅まきながらの報復と見ているようです。
どうぞ、お祈りください。

スレイマン・ハリル氏
シエラレオネ

村の学校を訪問するテオ・ヴォランド氏
シエラレオネは、大西洋岸に位置する共和制国家で、イギリス連邦共和国に属しています。内戦終結から25年経った今なお、観光業の影響は色濃く残っています。貧困、飢餓、そして環境破壊が日常生活を特徴づけています。ドイツ・ハノーバーの「インター・ミッション」(IM)の広報部長、テオ・ヴォランド氏は、現地で「悲惨な状況の中にも、希望の兆しはある」ことも、目の当たりにし現状を次のように報告しています。
この国では、1,270校の学校が破壊されました。これらの学校は今日に至るまで修復されておらず、教育の欠如は明白です。さらに、2014年から翌年にかけて数千人の命を奪ったエボラ出血熱の流行も、国の再建に影響を与えました。誰でもこの西アフリカの国を旅する人は、戦後25年が経過したにもかかわらず、人々は生活の安定を得るために苦闘しているかを実感します。数多くの傷跡は目に見え、触れることもできます。また手足を失った人々にも出会います。例えば、販売員は計算ができないことからも、教育欠如ははっきりと見て取れます。人口の半数は読み書きができません。資源は不足しています。本来、シエラレオネは肥沃な土地であるにもかかわらず、米などの基本的な食料でさえ輸入に頼らざるを得ません。その結果、食料は依然として高価で、子どもたちは飢えに苦しんでいます。教師の数はあまりにも少なく、村の学校は一度も勉強したことのない教師で何とかやりくりしています。コンピューターなどのテクノロジーは、もちろん不足しています。近隣諸国と比べると、多くの人々は自分たちの状況を変えることができるという信念を、全く持ち合わせていません。彼らは日々、ただひたすらにやり過ごしているだけです。

ゴミが散乱する道路
海外からの環境の過剰な搾取もまた、私たちの心を痛めます。首都フリータウン沖では、外国から来た十数隻の大型トロール漁船が近づき汚染も起こっています。砂浜にはペットボトルやビニール袋が散乱し、大西洋は汚染がひどく加速し、勇敢な人でさえ水に入る勇気を失ってしまうほどです。一方内陸部では多くの火災が発生し、増加する人口は、家畜や農地のための土地を必要としています。最後の森林地帯も焼失してしまいました。大きな野生動物はすべて、戦争中に獲物として狩猟され食用とされたと言われます。熱帯雨林が残っているのは、極めて遠隔地の国境地帯だけです。自然が失われるにつれ、観光収入を得るチャンスも減少しています。これらがこの国の現状です。どうぞ、お祈りください。
ドイツ
ロイトリンゲンの福音自由教会(REFG)の会堂は、反ユダヤ主義者による落書き被害を受けました。REFGの牧師の一人、ハラルド・シェラー師は次のよう語っています。犯人らは8月13日の深夜から翌朝にかけて、教会の建物と駐車場に共産主義のシンボルと明らかに反ユダヤ主義的なスローガンをスプレーで落書きしました。監視カメラの映像はありますが、犯人の身元は特定できていません。シェラー師は、教会が現在も支援しているイスラエルのための祈りの集会との関連を疑っています。REFGは他のキリスト教会と共に、ハマスに拘束されているイスラエル人人質を追悼し、高まる反ユダヤ主義に反対する立場を表明したいと考えています。これまでのところ、ロイトリンゲンの中央広場での集会での数回の中断を除けば、平和的に行われてきました。
落書きのため、REFGは器物損壊で警察に被害届を提出しました。被害額の規模はまだ不明です。おそらくイスラエル・ガザ紛争に関係する政治的意図で、このような事件が起こったと考えらます。どうぞお祈りに覚えてください。
バーデン・ヴュルテンベルク州オッフェンブルクにおいて、海外宣教団体「オペレーション・モビリゼーション」(OM)の「ティーン・ストリート大会」が行われました。参加者数は、約3,200人でした。同団体によると、ヨーロッパ各地から約1,800人のティーンエイジャーが参加しました。イベントのテーマは「セブン」で、ヨハネの黙示録にある7つの手紙に由来しています。午前中のメインセッションでは、7つの手紙のうちの1つに焦点を当て、その後参加者は小グループに分かれて、そこで聞いた内容を振り返りました。中には、自分自身の小グループを立ち上げたいと考えるティーンエイジャーもいれば、赦しと癒しを体験するティーンエイジャーもいました。大会では、今年もスポンサー付きのワークショップが行われました。そこでラオスやアルバニア等の青少年プロジェクトのために、自由献金で約71,000ユーロ(約1,270万円)が集まりました。
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